nekkorogirl、旅の途中編

暖かくなるまで 今少し、東京から逃れて 仮住まいをしているのです。


こんな真冬に 出発地点よりも確実に数度は冷え込む地方にやって来ているのだから、つまり避暑の反対、の、反対です。この辺りには、都会では見ることのない、不思議な鳥が棲息しています。頭と胴体だけがムクムクとむくれて膨らんでいるのに、嘴と足は爪楊枝のようにか細い鳥とか。その鳥は休耕田や民家の庭先で、素早く首を振っては三段飛びで前進している。名前がわからないので、わたしはそれをひとりで「ムク鳥」と呼んでいるのだけど、「ムク鳥」のほんとうの名前は多分永遠にわからない。



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