先々週のこと

WRから「日記書いたよ」と誘われたので、わたしも此の場所で日記を書きはじめることにしました。

水槽のなかの六月。空が水滴の重さで降りてきている。

わたしが生まれ育った町は、いつも曇りか雨だったので、東京の六月も わたしはきらいではありません。

昨日や今日のことを書くまえに、メモの切れ端が見つかったので、前回の週末のことを書きます。



金曜は招待券があったので、コットンクラブでアンナケイのライブを観てきた。

土曜は映画。エミール・クスリトッツァの「白猫、黒猫」と「ライフイズミラクル」。ここにでてきたねこ みんなかわいい。


日曜は、本を読んで午前中を過ごし、夕方から渋谷に出て、ツアー最終日のキリンジを観た。

会場に集まったキリンジ・ファンのひとたちは、全員が全員 品行方正な印象で、服装もおシャレすぎもダサすぎもせず一様の規律と清潔感に溢れていて、なんていうのだろう 突出した個性とか悪とか退廃とか、とにかく何でもいいから突出した何かが入り込む余地はいっさいなく、整然と厳かで、所謂ライブともパーティーともお祭りの夕方とも違う、どこかの国の異教徒の儀式にふいっと迷い込んだような、不思議な時間を過ごしました。

幕が開いて、音楽が流れているあいだじゅうも。夢か幻のなかにある箱庭のなかの人形劇を観ているような、そんなへんな気分。

帰り道 渋谷の公園通りの坂から、夕飯を食べに向かった道玄坂までぐるっと滑り降りていたあいだ、あのホール周辺で形成されたいた清潔で純化された世界が雑踏に溶けてみるみるうちに薄まって、下界とすっかり混ざり合って消えてしまった、その数分間の現実感が、日曜日の終わりの気分とも合わさって、妙に印象的だった。

これから 珈琲を飲みにいきます。