スーパースターとは

日曜。この日の予定は東京ジャズのSLYだけ。
しかし午前中は WRもわたしも個別のタイムスケジュールで動きたかった為、午後からの予定について「何時に家を出るか」を相談した結果、WRから「11:30迄に各自で昼食を済ませ、自宅に集合したのち、すみやかに駅へと出発」という通達が出た。家なのに、まるで学校行事のようだ。

予定通り 昼食を済ませて自宅を出発、WRに引率されて 日比谷の東京国際フォーラムへ。ここのホールの前の広場は、いつ通ってもパラソルや屋台が並んでいて、都会の祭り的な気分が醸し出されている。その広場を通り抜けながら「誰か芸能人いないかなー」と呟いて周囲を見渡したその瞬間、何の前触れもなくサークルの友人が目の前に出現し、WRとふたりで唖然。

この日集まった観客の大半がそうであるように、わたしたちも200%スライ目的で来たのだけれど、意外にもサム・ムーアのステージが抱腹絶倒だった。当人にとってはスーパーナチュラルなパフォーマンスなのだろうけど、往年のテレビショーのような緩慢な狂気に満ちていて素晴らしい。スライ氏に関しては、やはり「生きて動いて声を発してくれるだけでありがたい」というような感慨がどうしても払拭できず、ヒット曲連発で客席は大盛り上がりであったものの、何かファミリーストーンたち全体から必死のカラ元気っぽいものが伝わってきて、目の前で展開されるエンターテイメントに 心の底から浸れない、そんな複雑な感情に陥った。スライは30年後の極東で神様となり、神様の目の前で 踊れるひとは誰もいない。10年くらい前、日本武道館JBを観たときも、(何様なんだ、と自覚しつつ)同じようなことを感じた。スーパースターとは、やはり観念的な存在でしかないのだろうか。しかし神様は「そのへんの路上に寝ていたら本気でやばい」と感じるほど、本物だった。しかし国際フォーラムは、わたしは初めて入ったのだけど、非クラシックのホールとして見ると、日本で有数のセレブリティホールだな!ロビーで売っているアイスコーヒーでさえ、ワイングラスで出てくる劇場仕立て。中央のエスカレーターも心憎い。空調も行き届いた、こんな大都会の清潔な空間でファンク・ショーとはこれいかに。とはいえ、ファンクやアートに限った話ではなくとも、ひとたび成功を収めた時点で前提条件が成立しなくなる事象というのは無数にあって、そんなありがちな話の先の先で、アーティストもオーディエンスも現世を謳歌するしかないよね。フンフン。何だかんだと言いながら、スライという存在を肉眼で確認できたことに感謝の念。

結局会場で、冒頭に出会ったサークルの友人を筆頭に、計5人のサークルの人が寄り集まったので(一緒に行く約束をしたわけではないが、興味の範囲が極度に偏っている為、ライブに出かけると大抵サークルの誰かに自然に出会ってしまう宿命。ちなみにこの日会えたのは、イナヤさん ショウちゃん チバちゃん ミヤモト けんたろう)、終演後 連れだって飲みへと繰り出す。(ちなみに、みんなの後ろをついて歩いて辿り着いた飲み屋はこの日の日記(**1)で訪れた飲み屋と同じ店だった。わたしは大学時代の友人と寄り集まると、うっかりこの店に入る宿命になっているらしい。値段も味も、褒めるところも貶すところも特に何も思い浮かばないような、まったくふつうの店(**2)なのだけど。

(**1)http://d.hatena.ne.jp/nekkorogirl/20080712/1215864945

(**2)http://www.ramla.net/casual_restaurant/koujigura/restaurant/detail.cgi?store=00006

17時過ぎから飲みはじめて、気がつくと21時半。サムの後にスライを拝んで、スライの後にビート研的にアルコールを痛飲すると、21時半なのに、体内時計は夜中の12時くらいの感覚となる。帰宅して2秒で就寝。

スタンド!

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