郊外と二次会

大活躍の土曜日。

土曜と言うのに早目に起きて、港北のIKEAに家具を見に行く。この日 ぜったいに買わなくてはいけなかったのは、追加の本棚と大きなベッド。2つか3つ電車を乗り継いで新横浜駅にたどり着き、そこから更にIKEA専用送迎バスに揺らり揺られて、スウェーデン国旗色の郊外型一大インテリアマーケットに導かれる。全面を支配する北欧カラーに騙されがちになるけれど、客層の大半は、あたりまえながら、日本の郊外にたむろする休日の子連れファミリーであり、見渡す限り 通路を疾走するか、力の限り泣き叫ぶかしない、お子様たちの阿鼻叫喚の地獄絵図であった(とは言うものの、疾走も泣き喚きもしないで礼儀正しいお子様も勿論存在している。しかし、彼らは大人しくしているとあまりにも小さいために、存在自体を意識されない。あの中で静かに親に着いて回っていたお子様は、真の賢者で将来の日本の救世主だ)

わたしとWRは、カタログで目を付けていた本棚と、その場で見て「おもしろいから」という理由で気に入ったクイーンサイズのベッドをすんなりと購入。それから、ぬいぐるみ売り場で、今年の消費活動中、クオリティ・コストパフォーマンス・独創性すべてにおいて最高とも言える ねこ人形2体と、安すぎるマグカップ、シーツ等を手に入れ、まずまずの買い物が終了した。ダイニングテーブルとチェアは、品数こそ多いものの、デザインがあまりふるわない。正午を過ぎて、店内がいよいよ大混雑する直前に、倉庫での商品ピックアップを済ませ、会計、宅配手続きを不器用に終える。

IKEAレストランも長蛇の列だったけれど、買い物に満足したので配給の列に耐えて並んで昼食もゲット。噂に聞いていた通り、安くて美味しい。(今回は頼まなかったけど)セルフサービスのシャンパーニュもたったの300円だし。郊外型の休日を嫌悪しながらも、また来たい欲がうずうずと湧く。しかしそれでもこの極東の暗く湿った極小住宅で「北欧風の暮らし」を満喫するつもりは毛頭ないので、これからもなるべく非北欧的な商品だけを 厳選して購入したいと心に誓う。

夕方帰宅、少し仮眠をとって、日が暮れてからもうひとつの予定。会社の同僚であり、且つ大学時代の同窓生の結婚パーティーへ。新婦とわたしが一学年違いの同じ学部出身で、ついでに新郎とWRは同じ学年の同じ学部出身である縁もあり、二人揃ってパーティーへ赴く。外は雷の気配。電車で池袋へ。

花嫁は、二次会ではドレスではなく紺色のワンピース姿だったけれど、メイクと髪を結っているだけでも、ウェディングドレスの名残がプンプンで、とてもきれいだった。会場では、会社の同僚や、同じ学部だった友人数名に会う。仲間がたくさん集まった、賑やかなパーティーだった。WRとわたしは「二次会とは」という調査に余念がない。ここへきて、結婚パーティーの経験値ばかりはうなぎのぼりだが、果たして 常日頃 自分たちだけのスモールワールドで完結して生きている自分たちに、他人を巻き込んだ一大事業が成し遂げられるのか、不安ばかりを募らせる結果に。わたしたちは、まだまだ二次会に行きたい。永遠に他人の二次会に行き続けたい。此処を見ているひと、知らないひとでもいいので誘ってください。