こどもバンド

今週は 部長のご機嫌が芳しくない。同僚も上司も、今の会社は人間性のよいひとばかりが集まっているので“機嫌が悪い”とは言っても、なんとなくそう感じるという程度の話なわけだけど、部長が席にいる間は、どことなくピリピリとした緊張感が漂っている。影響力のあるひと、の心の在りようは、低気圧のように その下の小さな世界に覆いかぶさる。こんな週もあるさ。

この日は 同僚の佐々木さんと最寄り駅(同じ駅)まで一緒に帰って、カフェでコーヒーを一杯飲んでから帰宅した。会社の中に 飲み友達がいるのは良いことだ。大人になると、ひとと仲良くなるときのスタートラインが変化する。性格や趣味の一致不一致という内的条件ありきではなく、家の方向が同じだとか 家族構成(ライフサイクル)が近いという外的条件が、そもそもの前提であり、関所となってしまうという現実。

秋の夜長、なんて言うけど、夜は いつも あまりにも短い。短い上に、すぐに眠くなって、何もできないで眠ってしまう。テレビで 天才プレイヤー、と呼ばれるこどもたちが結成したバンドの演奏を見る。曲目は“Ellie My Love”と“I Want You Back”。でも ドラムはリズムキープできないし、キーボードのバッキングは放送事故かと思うほどにズレてるし、こどもとはいえ散々だ。クラシックの世界では バイオリンでもピアノでもフルートでも、演奏やアンサンブルは出来てあたりまえなのに、ポピュラーミュージックの世界では、ギターが弾けたりドラムが叩けたりするだけで簡単に“天才”呼ばわりしてしまう。技術もアンサンブル力も、表現力のひとつであることは間違いないのに、ロックやポップスの世界では いかにも無粋なことのように扱われがち。世界のこどもバンドのみんなも、自分で自分をこどもにしないでもっとがんばれ。

ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ジャクソン5/ジャクソンズ

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