悪態日記

水曜の朝もまったくついてなかった。乗換駅のホームにて、大混雑で行列している車両入口を避けて、前方の空いている車両目指してまっすぐに歩いていたら、列に並んでいた40歳位のおじさんからふいに肩を叩かれて「割り込むなよ!」と怒鳴られたのだ。げんなり。

少し先の車両まで行けばガラガラなのに、誰が見てももっとも混雑が予想される場所の大行列の末尾に並んでいる時点で、その40歳の視野狭窄を立証するには充分なのだけど、ちょっと横を通り過ぎただけで「割り込みだ!」と勘違いして錯乱するなんて、まるで虫のような視野の狭さだ。こんな40歳、会社でも家庭でも 一方的な思い込みで怒鳴り散らして、嫌われているに違いない。

しかし 同じ満員電車に乗るのでも、ちょっと会釈して「失礼します」という雰囲気を醸し出しながら乗るひとと、まるでそれが当然の権利であるかのように 肘や鞄でギュウギュウと周囲のひとを押し込みながら乗るひとがいる。後者のタイプは ランドセルの小学生や女性がいても、息ができる程度の隙間を空けてあげようともしないばかりか、彼らの力が弱いのをいいことに 全身を使って平然と圧力をかけている。不特定多数の匿名的な場面でも、誇り高さを保持できるひとでありたいと思う。そんなふうに感じるついでに、経歴や地位や容姿やお金、とにかくツールは何でもよいけど、内心でひとと自分を比較しては一喜一憂するタイプ、そういうひとのことをなぜか連鎖的に思い出し、暗い気持ちになる。割り込むな!と勘違いの叫び声をあげるひと 混んだ電車に乗り込む際、ひつよう以上に攻撃的なひと コンプレックスに絡めとられているせいで他人のことを見下すひと それぞれバラバラなようだけど、根はひとつに繋がっている。そんなやつら 滅びてしまえばいい!

今月の請求書の処理も済み、仕事は忙しくもない。WRは残業の日。ひとりの夕食なので、ドンクでミニクロワッサンを買ってきて、あとはぜんぶ冷蔵庫のなかのもの 前の晩の挽肉の残りと、卵ときのこでオムレツを作って食べて本を読んでお風呂に入って本を読んで眠った。WRが帰ってきて「こんなにはやく寝てるの?」と言っていたような記憶しかない。最近 ほんとうによく眠るし、いちど眠ると朝まで意識を取り戻さない。その代わり、朝は早起きして 洗濯もするし珈琲も入れるしゴミ捨てもする、といった具合に大活躍で、ぼーっと寝ぼけたWRを席捲する勢い。

そして相変わらず 毎朝先に家を出るので、WRはいつもパジャマ姿で「今日も、ねこのお世話はまかせて」「帰るとき コンビニでジャンプとマカジンとコーラ買ってきてね。あとポテチも」というふうに、完膚なきまで ヒキニートになりきって送り出してくれる。WRはほんとうにひきこもりやニートの才能に満ち溢れていて、毎朝 毎朝 冗談だとわかっていても「一家を背負う大黒柱はわたしなのだ」と うっかり勘違いしながら出勤している。

読んだ本

今読み中の小説はぜんぜん読み終わらないのに こういうは雑誌よりも雑誌みたいで、瞬殺で読める。本を読むひとと会話をすると「面白すぎて あっというまに読み終わる」というフレーズにたびたび出会うけれど、そういう本も確かにあるけど、わたしの場合 面白い本は すぐにページを後戻りして、一向に読みすすまない、ということもかなりよくある。