篭城している

週末なので、毎度のことながら 部内のひとが少ない。相手のある仕事のひとは、皆、大して必要でもない出張や外出(撮影立会いや打ち合わせ)仕事を入れて、出先から早めに帰るように設定している。わたしの仕事には、そういう自由がない。つまらないので、エレベーターでやたらとビルの中を上下に移動して、喫煙ルームで要らない煙を浴びてきたり、売店でジュースを買ったり、無駄にそわそわしているのだけど、それでも退屈は全然紛れてはくれない。雪でも降ればいいのに。窓の外を行き交う新幹線を横目で眺めて、(怪獣映画でよくあるみたいに)指で掴んで転がせそうだ、と考える。フロアの中は、そう乾燥しているとは感じないけれど、朝入れた2Lくらいの加湿器の水が 夕方までに ぐんぐん減って、空っぽになるから、やはり乾燥しているのだろう。風邪をひくひとも多いわけだ。そして加湿器を人間の体に例えると、冬場は冬場でおそるべきスピードで水分が失われていくのがわかる。水を飲まなくては。飲みたくなくても、水を飲まないと乾ききって、体がおかしくなる。

仕事終わり、最終の予約で美容院へいく。5cmのカット。金曜の夜は、美容院にまでひとがいない。皆 週末の遊びに忙しくて、髪を切るどころではないのだろう。しーん、と静まり返った美容院で、くだらない話で大笑いしつつ、髪をきれいにしてもらう。帰って眠るだけなのに、こんなにサラサラの髪で帰るなんて勿体ない。WRは今夜はチームの飲み会と言っていたから、先に眠っているわたしが 髪を切って帰ったことさえ、きっと気づかない。

シャワーも浴びず、コンタクトも取らず、メイクももちろんそのままで眠る。ぜつぼう的なつかれ。ぜつぼう的なさむさとつかれ。これで 暖かくなったとしても、眠たいのは変わらないだろうけど、さむくて眠いよりは あたたかくて眠いほうが、幾らか心持はましだろう、という気がする。