春のねがい

電車から、薄く色づいた桜が見える。近所の一軒家の門の中の庭にも桜が。去年は 早起きをして千鳥が淵の桜並木を見に行った。それにしても 朝晩と云わずまだまだ寒い。暖房も冬のコートも全然手放せないでいる。

週前半の忙しさ(※自分比)が祟って、この日は定時にスタコラと帰宅。行きの電車には 一目でそうだとわかる何人かで歩く新入社員のグループが多く(不安のあまり、数名ずつ駅で待ち合わせして出社するのであろう)、帰りの電車には 大学の新入生の新歓コンパの群集が多い。不安と期待が胸いっぱいに交錯し、ぴかぴか そわそわしていられるのも今のうちだわい…、おおいに ぴかぴかそわそわしてくれたまえ!だが諸君、改札の出口や通路を塞がないでくれたまえよ!グッドラック!……と 心の内で19世紀仏文学調に呟きつつ、ひとりぴかぴかの喧騒の中を通り抜ける。

WRはしごとが忙しく、毎晩遅い帰宅。早く帰って来れた日は、部屋の掃除や片付けをしたいのだけど、どうにもモノグサで体が動かない。さすがに申し訳ないので WRから「これから帰るよ」電話がかかってきた際に、「あのね、今日 早く帰って来れたからね、部屋の掃除とか片付けを(しようと思ったけど、できなかった)……」と弁解しようとしたところ、さいごまで喋り終わる前に「掃除?片付け?してくれたんだ!ありがとーーー!」と 言われてしまい、何ともいえない逆効果に。狭い空間に わたしの所有物ばかりが溢れかえっている我が家。要・不要をひとつずつ分別し、しかるべき処置を施そう…と考えるだけで、気がとおくなる。殺人犯の心境はわからないけど、殺人現場に火を放つ気分はなんとなくわかる。いっそ ひとおもいに ぜんぶ消滅してしまえばいい!

春なので 何かあたらしいことをおっぱじめてみようと思った。紙粘土で、家族4人(WR、わたし、ねこんこ、ねんねこ)の人形を制作するとか。できれば色も塗りたい。