観賞者

大学時代のゼミともだち、タモツのSNS日記上で ここ数日 「愚かなる一族」と題された連載が自然発生的に展開されているのだけれど、それが麻薬的に面白い。PCを開く手間も待ちきれず、携帯から貪るように更新チェックし、指まで震えるほど爆笑し、読み終えたあとは「早く続きが読みたい!」と 喉から手が出るような飢餓感に襲われる。連載内容は 世の中でさいあくの部類に入る話題なのだけど、独特なセンス、爆発的な文才が随所に炸裂している上に 途中からなぜか、明らかに無意識に、話の流れ、副題等の着想が プルースト調になってきて、さいあくに拍車がかかっていくのだけど、一話も逃してなるものか!と また携帯からログインしてしまう自分がいる。しかも タモツのSNSには少数精鋭主義なのか 数名しか人がおらず、言うなれば4人くらいの観客の前で、全力で前衛的な舞踏が繰り広げられているに等しい状態なので、凄まじいというものだ。才能に嫉妬。

日曜の昼下がり、池袋に「セブンデブ」昼公演を観に行った。7人のデブが登場する演劇、という事前情報しか知らされておらず、行きの電車の中では「セブンデブだなんて、こんなもの、ほんとうに観に行ったりして大丈夫だろうか…」と一抹の不安を感じていたけど、2時間の上演で退屈する瞬間はまったくなくて、おもしろかった。太った人々を見ると 誰もが頭の中で考えるような ギャグの定石が散りばめられていて、それ自体は非常にありふれたものなので、元々おなかをよじって大笑いさせるようには設定されていないのだと思う。けれど、物語が進むにつれて、自分の中で舞台上のデブのキャラクターが 差別化され、際立ってくるから 楽しい。キャバクラのママの役の女優さんが、とてもよい。彼女なら 岡田あーみん の漫画の中でだって 生きていける。

↑セブンデブ 最終日でした


観劇の後は、新宿でお買い物。WR スーツのパンツを買う。わたしは朝食用のパンを買う。夏休み用の日避け対策グッズも欲しかったけれど、日避けに神経質になりすぎると最終的にマイケルジャクソン並みの装備になってしまいそうなので、わけがわからなくなりとりあえず今日は何も買わないで家に帰る。

夕方17時にスープカレー屋で夕食。ここ数日、自分の身に漠然とした健康不安が持ち上がってきたので、インターネットで特殊検診を行なっている病院の情報収集などに励む。この週末は ライブ観て演劇観て「わたしたちって 観賞以外 人生で何もしてないね」という結論に落ち着いた。万物を ただ呆然と観賞するのみに集約される 人生。