月を見ない日

仕事終わり 駅でWRと落ち合って、不動産屋の門を叩く。
19時過ぎ、という遅めの訪問だったにも関わらず、一軒 内見までさせてもらえた。

今探しているのは せいぜい数年間しか住まわないであろう賃貸物件で、だから適当でいい、と考えているわけではないのだけれど、とりあえず 毎朝 好きな街から出掛けていって、夜 好きな街に帰って来られるということ、そこで致命的な不便を感じずに きもちよくたのしく暮らせたら、というのが、今のわたしのいちばんの望みなので、その望みが満たされる部屋なら、ほんとうに「なんでもいい」のだと思った。近くて広くて新しくて安い部屋であればあるだけ、恩恵となるのは間違いないけど、わたしの関心の中心は、その部屋のなかでどういう暮らしをつくっていくか、ということで、仮住まいでない「ほんとうのいえ」は、これから 積み重ねる暮らし方によって、きっと相応しいものを手にできる気がする。

しかし 部屋を見に行くのはたのしい。世の中に間取りマニアや引越しマニアがいるように、「内見」というジャンルにも(業務妨害、という犯罪行為にあたるのであまり表沙汰にはならないけれども)水面下では、きっと相当数のマニアがいるに違いない。引越しの予定もないのに、不動産屋をはしごして、あらゆる部屋を見にいくひと。お金かからないし、話を丁寧に聞いてくれて、雑談にも応じてくれるし、いろいろな部屋を見ながら妄想を働かせるのは、へたな行楽地に出掛けるよりも、よほどたのしい。

夕食抜きのまま 21時過ぎまで歩きまわったので、おなかがペコリとなって、七輪焼肉の店へ。
WRの書いた文章(※2作目)に読み耽ってしまい、肉を焦がす。

閉店に近いレコファンで、ひさしぶりにCDを買う。
tobaccojuiceの「HEADPHONE GHOST」)
ひとつ前のアルバム(「ハッピーバースデイ」)から、もうそんなに経ったんだっけ?帰って聴こう。

HEADPHONE GHOST

HEADPHONE GHOST