靴がいたい

元々サイズが合わない靴を、二日間連続で履いてしまったせいで、壊滅的に足が痛かった。足が痛かったので(その場で履き替える為に、ではなく 自分を鼓舞する為に)、靴を買った。可愛い靴は足が痛くなるので、可愛くなくて足が痛くない靴を買った。靴を買ったせいで荷物が増えて両手が塞がり、いっそう足が痛くなった。


いえに辿り着き、漸く履いていた靴を脱ぎ捨てると、痛かった足のことをすっかり忘れた。そして 床に転がっているあたらしい靴が入った箱のなかを覗き見て(なんて可愛くない靴なんだろう)と確認し、それから靴の箱の蓋を戻して、すこやかに眠りに落ちた。