生理的に

土曜日は 終日 眠りっぱなしだった。まったくのひとりで、パジャマのまま 部屋に籠もる休日なんて何日ぶりだろうか。

せめて引越しに備えて、部屋の中のがらくた整理に着手したかったけれど、洗濯機を回して洗濯物を干した以外、何も出来ず。

ベッドに潜り込んで、うつらうつらとしているあいだ、地鳴りのような雷鳴と 稲妻と それにつづく数分の豪雨が物凄かった。今年は例年になく、六月の天気は六月らしく、七月の空は七月らしい。

豪雨の過ぎたあと、一度、ベッドから這い出して、休日でないと行く気が起きない、住宅街の奥地まで十分ほど進んだパン屋と輸入スーパーマーケットへ足を伸ばした。買い物よりも、緑木が生い茂る、雨上がりの遊歩道を歩きたかった。去年の今頃は、わたしの仕事は「出勤のない」フリーであって、夏の初めの朝や昼や夕刻、此処の緑の遊歩道をよく散歩していたものだ。

パン屋にて クスクスを小麦粉に混ぜた、生地が硬くて美味しい気に入りのパンを買い、数軒先の並びにあるスーパーで、ゴーヤチャンプルーカップに入ったアイスクリームを買って帰宅する。三十分程の外出なのに、アスファルトの熱波を受けて、ふらふらする。こんなもの自分で作ったほうが よほど美味しいうえに経済的だ、と思いながらゴーヤチャンプルーを食べ、パンを齧り、冷たいお茶を飲んでまた眠くなる。

(そんなこんなで一月のうちの五日から七日くらいは、生理的に避けようのない倦怠がある。金曜日、会社でなんとなく「就業規則」の書類をめくっていた際、お定まりの「生理休暇」に関する条項を見つけたけれど、もちろん「生理休暇」は有給ではないし、そもそも「生理休暇」を毎月毎月 五十歳の男性マネージャーに申請することなど、現実的に、どうして可能だろうか?‥‥しかし、身体は大事にすればするほど 環境に応じて弱くなるので、大事にしすぎないほうが結局は身の為であることは確かであるので、「生理休暇」になど、みじめに目くじらを立てないほうが得策だ)

ドライのエアコンのお陰で室温調節だけは快適な部屋で、またずるずると夢の中に戻っていく。身体の真ん中がひどく重たい。あまりに長く眠り過ぎたせいで、またとんでもない夢を見て、眠りながら疲れ果てている。