ネイビー

決算発表期なので、仕事がバタバタと忙しい。コンマ以下の数字の修正や、僅か一行や数語のエクスキューズの追加や何やらで、一瞬にして何百枚の印刷の紙が無駄になる。ネットが此処まで普及してもいつまでも「フリーダイヤル」が無くならないように、データの修正が容易になっても、最終的には印刷物への依存は消えない。旧態依然としていることよ。ひさびさに 紙の束で指をざっくりとやって、編集屋にいた去年のことを思い出す。紙に触る作業で、血がとまるまで待てないときは、絆創膏よりもガムテープをぐるっと巻いて続けるのがいいよ。

木曜日の夜。夕飯もシャワーも終わったあとにWRが遊びにやってきた。彼も勤め先の行事やら何やらで、此のところ存外忙しそうにやっている。恋人であれ友人であれ(現代においてはネット上での繋がりであれ)結局いつまでも傍にある「自分と関係するもの」は、まるで季節のように、グラデーションで移行してゆくものだ。突然現れて、また突然去っていく稲妻のような関係に目を奪われてしまいがちだけれど、そんなふうに躁鬱的に自分と関係してきたものは、かならず躁鬱的な破綻を見せる。

今は、夜がとてもしずか。