休み明け

夏休みが終わって、ひさしぶりの会社。休み明けは、お土産のお菓子がフロア内をぐるぐる回る。わたしのいる部署は、普段、国内でも海外でも 出張で不在のひとがいない日がいないようなところで、いちいち出張土産を配るひとなどいないのに、こんな長期休暇の後となると、たとえ長野や山梨などの近場でもみんなお土産を配らずにはいられないのが面白い。確かに、旅先の土産物屋での「会社のみんなにあげるもの買おう」という閃きは、いやがうえにも旅情を高め、また その瞬間に、会社の束縛からの自由を実感できるという効果をもたらす。お土産配りは、自分で自分のリア充にマーキングするようなもので、それぞれのリア充白い恋人温泉饅頭にかたちを変え、それらがカオスとなってデスクの上に存在しているのが楽しい(狂気)。わたしの隣の席のおじさん上司は、毎朝 名古屋から新幹線で通勤してくる。今朝も名古屋から来たそのひとに、名古屋土産のういろうをあげた。名古屋から運ばれてきたういろうを、彼は鞄に入れて、今夜また名古屋に持ち帰るのだろうか。

仕事は終日超多忙。ふと気がつくと、時計の針が早送りのように進んでいる。

今週は、WRの引越しがあるので、明日の着替えを取りに帰るついでに自宅傍の店で梱包のクッション材を買い、電車に乗って新宿へ。WRは東急ハンズで本を入れる為のダンボールを追加で購入していた。二人揃うと、無類の梱包好きのようだ。WRが「今、新宿のここが漂流教室みたいになったら、絶対『君たち二人は梱包を担当してくれたまえ』って言われる」などと嬉しそうに語っていた。

軽く食事などして帰宅。WRは本の梱包。わたしは旅行中お世話になった方々へお礼状を書く。WRは迫り来る引越しに忘我気味で、わたしは「わたしも手伝うし大丈夫だって」と途端に呑気に構えている。一週間前と、まるっきり形勢が逆転した。