雨降りとガレットと

株価変動で てんてこまい。もちろんわたしひとりが残ったところでどうにかなるようなことでもないので、社内の混乱に紛れて 仕事している素振りをしながらさりげなく脱出。新宿で友紀ちゃんと落ち合う。

雨だったので、駅直結の、コースでガレットが食べられる店に入ってみた(“Brasserie Barbara”)。リーズナブルだし、ガレット生地も そば粉の風味がつよすぎなくて美味しい。とくに、デザートクレープの ガトーショコラと少しのバターを併せたのが美味しかった。

友紀ちゃんと食事に行くのは3週間ぶりで、話すことがたくさん。気心知れた友人との会話はたのしいものだけれど、友紀ちゃんと話していると、彼女以外にはとても正直に話せないだろう、と思える、日々の想いのようなものが しぜんと言葉になって表れる。そういうものは、別のひとにうっかり口に出したとしたら、途端に誤解を招いたり、顰蹙を買いそうな事柄だったりするのかもしれない。彼女には寛容さと内面の洗練があって(こういうものは、生まれもったものとしか言えない)、わたしは彼女のそうした美点の恩恵を、もうずっと長いこと享受しつづけているのだなー、と改めて思う。

帰宅すると 服を着たままのWRが、毛布のミノ虫になって眠っていた。部屋がきれいになっている。同居となって以来3夜連続、交互に深夜帰宅がつづいていて、朝も夜も完全にすれ違いになっている。会話の総計は3分もない。過労死寸前に働いているわけでもなんでもないのだけど、暗闇でWRの眠り姿を眺めつつ、高度成長期のオヤジのような心境になった。