『漂流教室』が読みたいのです

雨が降り止まない。住んでみてすぐに気がついたけど、新しい家は 日当たりがあまり好くない。たとえ休みの日であっても、日中を部屋で過ごすことは殆ど無さそうなので、日当たりについてははじめからまったく問題にしていなかったものの、こんなふうに雨の日がつづくと、部屋干しの洗濯物が一向に乾かなくて、困る。困った、困ったと言いながら困りつづけるのは困るので、乾燥機つき洗濯機の導入を決める。

帰宅すると、ポストにWRMからのお手紙が届いていた。先日投函した、お礼状のお返事。有り難い文字の連なりにまた感謝。

ちなみに、引越して間もない為に、建物外部にある郵便受けの暗証キーをまだ解除しておらず(管理会社に問い合わせないと、解除方法がわからない)、実質 うちの郵便受けはロックがかかったままの、開かずの小箱状態。

しかし 引越し直後というのは 公共料金や変更手続きの書類が山となって届くもので、わたしは毎晩不審者のように差込口から手首を突っ込んで、郵便物を抜き取っている。

WRMからのお手紙は、郵便受けの底にきれいに落ちていて、指先さえも届かなかったので、ガムテープを差し込み、ぺたりと貼り付けて捕獲。その現場を上の階の住人らしきひとに目撃されて若干気まずい空気となる。はやく郵便受けも何とかしなくては。

夜 「新装版・漂流教室」が欲しくて欲しくて仕方無くなったので、WRの帰宅を待って一緒に本屋に買いにいく。新装版は、1巻が赤、2巻が緑、3巻が青で いかにも楳図好きの劣情をそそる装丁。漫画は殆ど読まないけれど、楳図かずおは特権的な位置を占めていて、大好き(「おろち」「赤んぼう少女」「神の左手〜」等)。WRも「楳図にはノーベル文学賞をあげてもいい」などと傍らで語る。

小雨降る中、漫画が濡れないようにそそくさと帰宅し、ベッドに寝転がってまず1巻を読み始める。至福。

「ハハハハハハ!校長!まだ何もご存知ないのですか!」

放射能だ!」

「(グビグビグビ‥)ダメよ、ミルクはパンと交互にしなくては喉がかわいてしまうわ‥‥」

相変わらず、声に出して読みたいフレーズの大洪水で、心は躍りさざめくばかり。千夜一夜物語のように、毎夜あたらしい「漂流教室」を読みながら眠れればいいのに。はやく帰ってつづきが‥‥つづきが読みたい。

漂流教室 1 (ビッグコミックススペシャル)

漂流教室 1 (ビッグコミックススペシャル)