おすし騒動

水曜日 わたしの仕事は おすし係だった。おすし係を任命されたのは、わたしと女性の先輩の計2名で、しかし業務執行のメインはわたしなので(当日限定の瞬間的な出世ではあるが)、うっかり先輩をさしおいて、係長に昇進してしまった。はじめての役職・おすし係係長。

しかし実はおすし係の業務は 人知れず数日前からはじまっていて、おすしの下見、おすしの見積もり、おすし受け取りのタイミング等 綿密なスケジュールを組んできたので、当日は届いたものを並べるだけ(しかも僅か3人分)、と考えて楽観的でいたのだけれど、甘かった。あまりにも早いおすしの到着に始まり、すし自身が すし屋のオヤジの自信に反して貧相で崩れ気味であったり、また、お手拭や醤油入れの小皿がないことや、インスタントのお吸い物作りに意外と手間取る等、おすし係長なのに、部門外の先輩たちを大いに巻き込む大混乱を招いてしまった。後ほど下げに行ったときは、おすしを食べた方々は全員ガリまで完食していて、ほっと胸を撫で下ろしたけど。

それにしても、最初におすしを見たときは、おすし係の部下(※ほんとうは先輩だけど、“おすし係”という管轄内では彼女は“主任”なので部下と表現)と顔を見合わせて唖然としてしまった。上品を通り越したミニサイズの握りで、まったく美味しそうに見えない。というか、食欲が減退するような、しょんぼりとしたおすしだったのだ。スーパーのおすし以下だよね こんなの出して大丈夫かな でもこれしかないし、えーい出してしまえ、だがしかし次はない、などと、おすし係の我々には散々の悪評であったこのおすしは、しかし後で召し上がったご本人に伺ったところ、意外にも「味は良かった」らしく、それもお世辞かと思ったら「これからも おすしはそこにお願いしよう」などと云われたのでほんとうに美味しかったのかもしれない。おすしは見た目ではないということだろうか。奥が深い。

夜 WRと新宿で待ち合わせ。ガステーブルを購入(商品は配送なので、川端をつよく意識しながら、別売りのガスホースのみを持ち帰る)。その後 家から近いカレー屋で夕食をとってから帰宅。特別美味しいわけでも何でもないカレーだけど、近いのでまた行くかも。WRはずっと寝不足でテンションがひくい。ガステーブル(豊かな食を象徴)につづいて、巨大なベッド(豊穣な睡眠を象徴)を購入すべく、虎視眈々と日程を調整している模様。