素敵なテーブル買い

日曜日。朝 トーストを焦がして落ち込む(洗濯物を取り込んでいる一瞬の隙に、炭化していた)。

お昼前 WRと自由が丘へ。ダイニングテーブルを見にIDEEに赴く。IKEAACTUSではデザイン・値段・素材・色合いと、どのテーブルを見ても「これだ」というものに巡り会えなかったのに、今回はショールームをざっと見渡しただけで、すぐにすべてがほぼ理想通りと思えるテーブルに出会うことができた。わたしたちがとても気に入っている、ダイニングの照明にも、きっとよく似合う。

自由が丘の商店街をぐるりと一周歩き回って、古本屋を2軒見つけた。WRもわたしも本を買う。二人で文庫本3冊と、ハードカバーのウッディアレンの本。2軒目の古本屋の品揃えのほうが断然に良かった。また岩波文庫の赤(絶版)が本棚に増殖した。表紙に書いてあるあらすじだけでも相当にふるっており、もはや突っ込み所しかない。

馴染みのない街を散歩して、気に入りの品を見つけて買い物をする。たのしい日曜日。でも この日はWRと喧嘩した。火のないところに煙を立てるのは、いつもわたしのほう。ぽつり ぽつりと思ったことを口に出そうとしたら、言葉より先に涙がこぼれた。しかし ふたりとも怒ったままではいられないので 仲直りをして、気に入ったテーブルも 来週のお休みには、ちゃんとうちに届く。なのに、家に帰って、夜中 ぜんぜん寝付けなかった。喧嘩したこと自体ではなく、わたし自身がそうなってしまう原因の原因の原因の原因、もはや自分自身からも切り離されたような 古代の記憶のようなものにすら意識が遡り、判然としない“そういうもの”に足首を掴まれてひきずり落とされていきそうな、底なし沼のような夜。好きなだけ呼吸はできるのに、最初から最後まで、じぶんの息が喉を通る気はしない。台所の橙色の電球で、林芙美子の「風琴と魚の町」の頁をめくり、海の町の風景や薫りがあまりにもかなしくてかなしくて 蝙蝠も寝静まった明け方にひとり 涙をぽろぽろ零しながら、床にすわりこんでいる。