やはり ねこの こと

もっとも忙しい3連休。

午前 区役所(の出張所)にWRと書類を取りに行く。口座関連と 公共料金関連と (税金・保険を含む)役所関連は、どんな場合でも手を出す前から「ギャア」と耳を塞ぎたくなる、人生の難所(と思い込んでしまう)三大要素だ。これらの手続きに付きまとう 得体の知れない嫌な感じは、健康診断とか歯医者をおそれる気持ちにも似ている。とにかく 書類を取りに行って、多忙な3連休がはじまった。ランチの約束へ向けて、銀座線で八重洲方面へ移動。家を出る時間がギリギリになった。

八重洲南インド料理「ダバ・インディア」で わたしの両親と弟、WRと一緒に昼ごはん。弟とWRは初対面だったけれども、ふだん喜怒哀楽をほとんど見せない弟が WRに会えてとても喜んでいたのが驚きだった。カレーからい(ここのお店は、ランチセットより、夜のアラカルトを注文するほうが断然美味しい)。

休日の丸の内は、人通りが少なくていい。寒くも暑くもないとても良い秋の空の下、家族とWRと連れ立って、オフィスビルが立ち並ぶ通りを散歩。偶然 弟が働くビルの前を通ったので、母はそのビルをしきりに見上げて嬉しそうだ。そしてWRにまで「WRくんも お母さんにぜひ勤め先のビルを見せてあげてね、きっと感激されるから」などと一方的に勧めていた。母親という生物のこういう姿を眺めると、本能的で決定的な男女の差異を実感する。それは母親と父親の違いでもあり、娘と息子の違いでもある。そんな母親の姿を眺めて、頭の半分では(ふーん、そうなんだ)と思いながらも、そういうものはお金では手に入らない彼女の喜びであるのはまちがいがなく、頭のもう半分では わたしもとても嬉しく感じた。

珈琲を飲んだあと、両親と弟といったん別れて、WRと丸ビルの丸善へ。本を買い、本を読む。

夕方東京駅へ。WRMが名古屋からご到着。ふたりで出迎える。この日の夜は、うちの父母とWRMと5人で食事会。親同士が顔を合わすのは初めてなので、ホテルからレストランへ向かうタクシーのなかで(WRたちと分乗したので、此処がさいごのチャンスとばかりに)母とふたり 「くれぐれも飲みすぎるな」「じぶんの話ばかりをするな」「調子に乗りすぎるな」と 必死で父に釘を刺しておいた(こう書くと 父親を尻に敷くひどい母娘のようだけれど、父も齢をとり、母やわたしが力を得たから今だからこんなふうに云えるというだけで、むかしはずっとこのひとの暴言や支配的な態度に脅かされて生きてきたので、こんな因果応報は可愛いものだ)

食事は 銀座の街ハズレにあるフランス料理。内装がシンプルモダンで、ギャルソンも気取らないで何でも教えてくれる、わたしの好きな店。何よりも料理がさっぱりと美しく、凝りすぎたソースがかかっていたり、食べる必要のない食材を使ったり、料理に迷走が見られないのでとても良い。

食事会は とても楽しかった。どう転んでも親は親で、わたしとWRがあれこれ気をまわす必要もまるでなく、親同士 互いの家のねこの自慢話などを織り交ぜつつ、和やかに談笑(うちのねこはわたしが、WRの家のねこはWRが高校時代に貰ってきた。しかし 親たちは親たちで、ねこの話になると止まらないのがおそろしい)

親たちをタクシーに乗せて、漸く帰宅。なんだか気分が昂揚していて、時の経つのも忘れたけど、帰りの地下鉄はすでに眠くて眠くて仕方がなかった。それでもなんとかチャポンとお風呂に浸かってからベッドに潜る。明日も午前中にホテルへ行く。

買った本

青春の蹉跌 (新潮文庫)

青春の蹉跌 (新潮文庫)

退廃姉妹 (文春文庫)

退廃姉妹 (文春文庫)

自由と社会的抑圧 (岩波文庫)

自由と社会的抑圧 (岩波文庫)

ソルジェニーツィン短篇集 (岩波文庫)

ソルジェニーツィン短篇集 (岩波文庫)

自由と社会的抑圧 (岩波文庫)

自由と社会的抑圧 (岩波文庫)

自省録 (岩波文庫)

自省録 (岩波文庫)