ガーベラ

連休明け。しごとは多忙。多忙のさなか、唐突に部署の皆から結婚祝いの花束を頂いた(贈呈はとうぜん慶應ボーイである部長)。あかい薔薇やガーベラや百合が組み合わさった、大きな花束。わたしには、これを飾れる花瓶がない。ブランドマークが貼りついたブランド品はちっとも好きではない癖に、花束とか 高価なチョコレートとか 贅沢なものならわたしは大好き。だから もしも花瓶があったとしても、リボンをくしゃくしゃに解いたり、水を汲んだり重たい硝子瓶を運んだり、そんな面倒事は嫌。花束は セロハンの包装を解かれないまま、床に放り出されて ひっそりと 枯れる。

WRも遅目の帰宅だった。「なんかボーっとしたまま逆方向の電車に乗って、気がついたら千駄木で、おなかすいたからラーメン食べて帰りんす」とメールが来たので、わたしは千駄木千駄ヶ谷と思い込んで、本を読みながら待っていたけど、WRが運ばれて行った地は、谷根千千駄木で、千駄木と云うと 千駄ヶ谷に比べたら随分と遠い。そしてわたしも電車の進行方向を じつはしょっちゅう間違える。今の職場に通うのに、3つの路線を乗り継ぐのだけど、はじめのうちは 電車がホームに滑り込んでくると、右の線でも左の線でも条件反射でかけ乗ってしまい、3路線ぜんぶ いったんは逆方向に乗り間違えて、永遠に会社に着かないのでは、と途方に暮れたこともある。

早朝と深夜は、冬みたいにさむい。次の季節は、にんげんが寝静まった頃を見計って、徐々にこちら側へと侵食してくる。さむくなってしまうまえに 行きたいところ、見たいものがたくさん。