贈り物

生理痛なので 金平糖を口に放り込むみたいに 二時間間隔で鎮痛剤をパクパク口に放りこんで、そのせいで風邪薬は飲めないので ブクブクと泡を飛ばしながらうがい薬でうがいをして、あとは夜の食事会だけを目標に、ひたすら眠りまくった。途中 途切れ途切れに目を醒ますと、そのたびに ねこたちが 思いがけない方向に寝返りを打っていて、面白い。

夕方には 先週 WRMにプレゼントしてもらった乾燥機が届いた。当然ながら 設置も業者の方がやってくれるので、わたしは玄関のドアを開錠して、最後に納品書にサインをしただけで、一瞬であの四角くて丸いものが 洗濯機の上に取り付けられた。なんとなく怖くてまだ一度も回転させていないけど、見上げるたびに満足する。洗濯機の頭上に燦然と存在する乾燥機は、異常なまでに家庭っぽい。

眠っているだけで夜が来たので、ようやく服を着替えて髪を梳かして、仏料理のビストロへ。WRの会社の同期で 今 WRと一緒にバンドをやっているひとたちが、入籍祝いをしてくださるというので。食事をご馳走になったばかりか プレゼント(外国製のワッフルメーカー)まで戴いてしまって、恐縮。それもこれもWRと彼を取り巻くひとびととの関係性の賜物なので、彼らから提供される親切心や心遣いは、わたし個人が受けるべき恩恵ではないように思え、なんだか有り難いと同時に、ひどく申し訳ない気持ちでいっぱい。皆を駅まで見送って、駅からの短い道をまたひき返す。まるで冬みたいに夜風が冷たかった。