小鳩 ハリーポッタ風

にちようび。外はものすごい快晴で、ものすごく寒い。昼前に家を出て、WRと一緒に新宿の街へ。WRが仕事用の革靴を買った。2軒目のお店で 1足目に履いた靴を選んだので、靴選びはあっという間に終了。それから新宿に来るとうっかり足が向いてしまう お馴染みの“小鳩グリル(*1)”へ立ち寄って、ハンバーグを食べた。

そのまま家に帰るのはつまらないので、西口までぐるりと回って、新しくできたビルの中に新しくできたブックファーストへ行ってみた。専門学校が入ったビル、ということで ファッション誌やカルチャー誌のバックナンバーが若干大目。ブックファーストの割には 意外に文庫も揃っていた気がしたけど、WRの感想を聞いてみると、文庫の棚が貧相とのことで、全然相手にしていない模様。外国文学の棚はまぁまぁ。オフィス街の為、休日はお客さんがあまりいなくて広々と本が見れるのは良いけど、売り場面積が大きい割には、まるでお湯で溶き伸ばしたような表面的な品揃えなので、やはり新宿でなら 今まで通りにジュンク堂に行くのが無難だと感じた。WRはいつ何時でも本屋であれば難なく行けるようだけど、わたしは用の無いとき(*2)に本屋に行くと、情報と文字の洪水が脳を直にさわるみたいに襲いかかってくるようで、くたくたに疲れてしまう。

(*1)世間では通常“つばめグリル”と呼ばれているけど、わたしたちは“小鳩グリル”“すずめグリル”“ヒバリグリル”など気分によって呼び分けている。

(*2)「あの新刊出てるかな」とか「ここの棚はどんなかな」と 本棚を漫然と眺めながら歩くのは、立派に用事があるときで、わたしにとって本屋に“用が無い”ときというのは、そこが本屋であってもCD屋であっても服屋であってもいいような時間の潰し方をするときのこと。

わたしもWRもこの日は本を買わなかった。店を後にして、オフィス街のオフィスビルにひっそりと入っているスターバックスで読書(家から持ってきていた読みかけの本)に耽る。WRは 最近 とある全集的な書物に嵌っている為、家の中でも外でも電車でも 全集サイズの分厚い本を持ち歩いている。ちょっと前、ハリーポッターとかいうシリーズの新刊が出たか何かのタイミングで、電車の中にいる小学生からオーエルまで老若男女が揃いも揃って、厚さだけは辞書のように分厚い上に ブックカバーもかけられていないハリーポッターを読み耽る、という光景が到るところで散見されてわたしには地味に衝撃だったけど、今 全集(的な書物)を読んでいるWRも、そのときの刷り込みなのか、ハリーポッターを熟読するひとに見えなくもない。

わたしが読書疲れを訴えたので、カフェを後にして帰宅。やはり外はすごく寒い。家までの帰り道には もう一月近くも銀杏の葉っぱが舗道にかさかさと積もっているけど、落ち葉が季節に追いついてない。

昨晩の残りものをかき集めて食事。食後もまた本を読む。電子ドラムが来たので、WRはドラムの自宅練習にも余念がなく、(ドラム用の椅子が無いので)リビングの椅子を抱えて 寒い部屋と暖かい部屋を行ったり来たり、忙しくやっている。