最低の世界の最高のこと

生理の為不調。鎮痛剤のオーバードーズで朦朧とするし、目に触れるもの手に触れるものすべてに、得体の知れない苛立ちを憶える。鬱屈。このくさくさの気分は 生理前5日くらいから徐々に発生して、生理の初日にピークを迎える。未来についてはげしく悲観的な気分になるのもだいたいこんなとき。でもこれは別に“生理だから情緒不安定になり、漠然とした不安に襲われている”のではなく、ふだんは努めて前向きに考え、自己抑制し、打ち消したりしている恒常的な不安材料が 抑止力が低下している為に顕在化している状態に過ぎないのだ。

わたしは 相手がわたしに「したくない」とか「しなくてもいい」と思っていることを、説き伏せてまで無理やり「してもらおう」とは思わないし、そもそも「してもらえない」こと以上にもっと嫌なのは、こうして被害者のように「してもらえない」とたったひとりで悶々として、たとえ一瞬のことだとしたって、不満や恨みが心を過ぎることなのだ。けれど、相手が「したくない」ことを無理やりしたくはないように、わたしだって自分の正直な感情を裏切りたくない。ともあれ 自己否定や未来への絶望がひどい。わたしの要求は 我儘でも理不尽でも極端でもないごく自然な感情だとわたしは信じているので、それが(事実として 暗に)却下され続けているということは、要求ではなく 要求の提出先を、わたしは間違えているということになる。すでに多くの間違いを犯しているとしても、いつだって もうこれ以上間違えつづけたくない、と 思いながら 生きる。

水曜日。この夜は慌てて会社を飛び出して、吉祥寺へ。スターパインズカフェ。タバコジュースのライブ。

音楽がはじまる直前まで、気分が重たいままだったけど、音楽がはじまると何もかもがさいこうで、体の不調も嫌なことの何もかもが、すえて消え去った。タバコジュースを観るのは2年ぶり。ほんとうに 彼の歌声は色彩のよう。その声で歌う言葉も、グラデーションで変化する。今年観たライブの中で、この夜のタバコジュースが いちばんよかった。よかった、なんてかんたんに言ったりしたくないくらい 素晴らしかった。むかしの曲もあたらしい曲も 名曲カバーも サンタクロースのプレゼントみたいにどんどん出てくる!音楽が鳴り響いているあいだ まるで夢みたいに愉しい!さいこう!さいこう!でも“リリーフラワー”だけは演ってくれなかった(帰りの電車の中で“リリーフラワー”の歌詞を思い出して、あ、それは吉祥寺だからだな、と腑におちたけど)



HAPPY REBIRTHDAY

HAPPY REBIRTHDAY

愛したいとか愛されたいとか はじまりもおわりもただそれだけのことなのに、どうしてそれが鬱屈した思いとか 悲しいことや 憎悪に到るのだろうか。もっと自由に欲望したいし、欲望を自由にしたいし、欲望から自由になりたい。こんなことって 考えたこともなかった。