虫歯でいらいらしてるのか

冬休み前さいごの土曜日。WRは早朝から起きて デンタルクリニックへ出かけた模様。わたしはここ数日の飲み疲れを癒す為、ベッドから出ないで眠って過ごす。お昼前に、デンタルケアーが終わったWRから“散歩中なので 君も外に出てくるように”との連絡をもらったものの、パジャマ姿だったので 散歩はひとりで満喫してもらうことにして、ひきつづき家の中にひきこもり。

夕方になって、書店の袋とはらドーナッツの袋を両手にブラ提げてWRが帰宅。丸の内から神保町まで散歩して、珈琲を飲んで帰ってきたとのこと。まるで春みたいに陽気の休日。眠って過ごした自分はつくづく勿体ないことをした。

夜になっておなかが減ったので 近所まで散歩、と称してWRとかんたんな夕食を食べに出る。歩いているうちにお好み焼きが食べたくなり、昔住んでいたアパート近くの店を目指す。普段は店の前に 数組のひとが順番待ちをしているのだけど、この日はタイミングが良かったのか、ちょうど席が空いていた。目の前の鉄板で丸く焼かれるお好み焼きを眺めながら、WRと本の話など。わたしは読みかけの「ガープの世界」について、面白いしかんたんに読めるし読むのはまったく辛くないけど、同時にまったく好きじゃない、アメリカ的世界はやっぱりとことん相容れない、など 滔々と語る。けれど、わたしはつまらなかったり苦手だと感じる映画は途中で帰るけど(入場券より 時間や気力の浪費のほうが勿体ないと思うので)、小説に関しては苦手なものでもかならずさいごまで読み終えたいし、読んでみて苦手、というよりそういう本は 手にとる前から「多分好きじゃないけど」とわかっていたりするものだ。そういうことを思いながらお好み焼きが焼けるのを待ち、WRと2つの種類を半分ずつにして食べた。美味しかったけれど、夕方に小さいドーナツをひとつ(WRはみっつも!)食べていたので、食べ終わる頃はおなかがギュウギュウに苦しくなる。

外で珈琲を飲んで帰るつもりが、読書に適した近所の珈琲屋に立ち寄ると 年末のイベントなのか 貸切状態のようになっていて中に入れない。おとなしく家に帰る。家に帰って お風呂にも入り、漸くゆっくり本を読もう、と思ったところで事件が。WRから借りている「ガープの世界」を読みながら、場面が変わるごとに ひとり言のように小説描写や登場人物の言動に対する悪口を言っていると、WRが唐突にブチキレて 何やら呪詛の言葉(「そんなに悪口ばかり言いながら読むなら 読まなくていいジャン!」等)を叫びながら、わたしの手許にあった本を取り上げたのだ。何だそれ!むかつく!ちょっと反論してみると、いかにも男らしく子供っぽく 感情的にこちらの意見を封殺してきたので、会話を続けても仕方ない上に 同じ空間に留まるのも嫌だったので、パジャマだったけど 速やかに外着を着衣し、午前1時だけど家出。