誰にも気づかれてないけどサヨク

天皇誕生日で祝日のはずなのに、(休日出勤というわけでなく)なぜかうちの会社はふつうに勤務日。年間を通しても、ほかの祝日はカレンダー通りに休日となるのに、なぜこの祝日だけスルーされているのか、それは誰にもわからない。組織上 それを思わせる動きや片鱗は微塵もなく、この日を非・祝日扱いに決めた人物以外は 誰も知らないし気にしていないけど、じつはサヨクなのだろうか。

しかし 自分の会社だけ開いていても 取引先のすべてが休日なので、来客のひとりも来なければ、電話一本かかってこない。メールを書いても 誰からも返事がかえってこない。社員の中でさえ、うっかり休日と勘違いして 出勤するのを忘れたひとが散見される。会社の周辺は殺伐としたオフィス街なので、ただでさえ少ない飲食店もすべて店を閉めていて、ゴーストタウンとしか言いようのない寂寥感。終日、引き出しの中のおかたづけや、部内のひとの似顔絵を描いて過ごす。昨日は締め切りの仕事を沢山抱えててんてこ舞いだったというのに なんという落差か。

会社を出て、山手線に乗り込む直前に、WRから電話がきた。これから大学時代のアルバイト仲間と高田馬場でお酒を呑むのだけれど、雪んこもぜひいらっしゃいませんか?とのこと。宴席つづきのこの時期、酒に溺れることのない無予定の日はとても貴重だったけれど、やはり宴席の誘惑には勝てず 山の手線でまっすぐ飲み場へ移動する。

大学時代のアルバイト仲間、と聞いていたものの、この日集まったひとたちはぜんいん同じ大学の卒業生だったので、初対面だけれど いともたやすくその場に溶け込むことに成功。しかし、このところWRの同僚関係を中心に、初対面のひととお酒を呑む機会が爆発的に増加しているけれど、(自分でも薄々気づいていたけど)わたしほど初対面の才能に長けた人物は、そうそういないのではないか?

馬場の芳林堂が入っているビルの地下のうらぶれた店で軽くお酒を酌み交わし、その後通りを渡って 懐かしいmaruhachiで飲み直し。同じ大学の同窓生、とは言ってもサークルや学科の繋がりではなく「(WRが)同じ店でバイトをしていた」という共通項しかないひとびとなので、趣味や思考は まったく合わない。合わないけれど 良くも悪くも「ああ、大学のときこういうひといた」という感慨が大いに呼び覚まされる種類の合わなさがあり、趣味や思考が違いすぎて理解できない、ということにはならず、むしろ非常にストレートな理解に至った。ともあれ こんなふうに馬場の安っぽいお店で飲むのは、悲しいけれど落ち着くし とても気が楽。楽しかったけど疲れたし、疲れたけれど楽しかった。

12時に帰宅。さいごの力を振り絞ってお化粧だけ落として、帰宅後10分で眠りにつく。