茶の道が険しい

仕事始め2日目。二日酔いで気持ち悪い。会社をお休みしたかったけど、こんな日に限って“絶対に休んではならない”タイプの日だったりするので、サルトル的な足取りにてなんとか出社(「おれがいないと仕事回んないんだよ」と 友人に誇らし気に愚痴る学生バイトを思い浮かべながら読むと感じがでます)

この日は アポイント有りの年始ご挨拶の大群が、30分刻みでいれかわりたちかわり訪れて、ウェイトレス的な意味で殺人的に忙しかった。この日だけで、累計120杯はお茶(玉露)を煎れたのではないか。お茶を煎れたり出したり片付けたり次のお客を案内したりを延々繰り返しているうちに、意識が朦朧としてきて どんどん入れる茶葉の配分もめちゃくちゃになっていき、草の絞り汁としか思えない濃度の茶や、白湯ですか?と危ぶまれるほど薄い茶が出来たりしたけど、煎れ直す暇もないので気がつかないふりをして全部そのまま運んでいった。

夜は池尻にて サークルの後輩のトミコと飲む。昨夜は先輩(大量)との飲み会で、今夜は後輩との飲み会。年明け早々 2日連続でビート研だ、ヒャッホウ!と思ったものの、よく考えたら今は家に帰ると(ふたりしかいないけど)まいにちがビート研だった。

トミコに引率されて、246沿いをテクテクと下り、台湾料理屋を目指す。通りすがりの ねこ屋 にて、“ねこちゃんふわふわシール”と“キャットメモ”を購入。買ったあとで 中身を開けてみると メモは1枚1枚違う顔のねこの絵になっていて、さいこうに可愛い!ケースで買い求めようと決意。残りの余生“キャットメモ”以外 どんな紙にも もう二度とメモしたくない!

本場さながらの雑居ビルの一角にある台湾料理屋で 面白く飲む。4時間くらいお店も変えずに喋りまくって抱腹絶倒だったけど、実際のところ、人生の役に立つ会話はこれっぽっちも為されていない。トミコは院生だけど 文学とかより芸能ゴシップ的な話題のトリコなので(ちなみにわたしは 凶悪事件方面が好み)、わたしの職務上 及び 個人的経験上で知りうる最大限の極秘ゴシップを惜しげもなく披露してきた。
ともあれ、時間が矢のように過ぎ去るだけで、あとに残るものが何もないような時間の使い方こそ贅沢の最たるものだと思える。ご満悦の夜。台湾麺(縮れてごわついた、明らかにリンスが足りなそうな麺)を用いたエビ入り雲呑麺が美味しかった。次もこの近くにあるビストロに行きましょう、と契りを交わして 午前0時頃 ブーーン、と帰宅。
新記 三宿店 http://www.honkonmen-shinki.jp/shop/index.php

帰宅すると WRが風邪の初期症状を発症しながら半眠りしていた。枕の周りには、ねこ人形の片方がうつ伏せ、片方が仰向けになって 行き倒れのように転がっている。「トミコと ごわつき、ささくれた麺を食べてきたよ」と報告して眠る。