五反田にて

連休明け。関連法人の年始業務報告会に出席する。業務報告の中身も色々で、所属部署のミーティングに参加するよりは 随分 興味深い内容だった。

その中のひとつが 某国の王子様(3歳児)が自社製品(サービス)を愛用しているとの報告だったのだけど、会議中「王子様が…」「王子様のご感想としては…」「いや でも そうなると王子様のほうが…」と むやみやたらに“王子様”という固有名詞が飛び交いまくっており、激しくシュールな会議となってしまっていた。みんな 内心では(“王子様”って…。もっと他に呼び方はないのか)と考えたに違いないけど、資料に書いてある王子様の名前はどこで区切ればいいかわからないほど長い上にどう発音していいかもよくわからない謎の言語だし、やはり“王子様”は“王子様”としか呼びようがないのだけど、真剣な議論の最中に「王子様」「王子様」と聞こえてくるたびに、ふざけているのか?と疑ってしまう。

夜は 社内の別部署の50歳たちと五反田にて飲み。おじさん3人にわたし1人という謎の飲み会だったけど、期待に応える主義のわたしはもちろん50歳を圧倒する大活躍で、彼らの心を今まで以上にめくるめく勢いで鷲掴みにしてしまった。五反田で。

僅か3時間ほどの時間だったけど、短時間にビール5杯、ワイン、紹興酒、熱燗をチャンポンしたせいか、家に帰るさいごの電車の中で 吊り革につかまって立っていたら、急激に意識が遠のき、目の前がサイケに点滅し、冷や汗が身体中から流れ出て驚いた!スツールで死亡したあの夜を思い出さないわけがない。その後のことはあまり詳細に書きたくないけど、とにかく 色々酷い感じをふりまきながら、自力で帰宅はできた。家に帰ると、WRが勤務先の同僚から結婚祝いに戴いた バーバリー社製の“わたしたちが絶対に買わないデザインのパジャマ(病院の喫煙所で点滴の柱に支えられながらタバコを吸っている40歳くらいのひとが着てそうなやつ)”に身を包み、優雅にマルケスを読んでいた。お酒くさい上にボロボロの自分が相当嫌になるけど、そんなことに構っていられないほど 最低最悪にグロッキーだったので、ベッドに倒れて寝る。その後 WRが珈琲を入れたりお風呂を沸かしてくれたので、一方的にそれらの恩恵に預り、今度は本格的に朝まで眠る。ほんとうに此の頃はお酒に弱い(内臓が痛くなるのと 突然貧血状態が起きる)し、ちょっとお酒を飲みすぎるとまっさかさまに眠くなる。ゴールデン街で朝まで飲み歩くような作家には 全然憧れないし、わたしは到底なれそうもない。