あたまのうえの分度器

今週は寝坊してばかり。夢も全然見ない。寝坊といっても、5時半に起きているのが 6時半になったり7時になったりするということで 8時に家を出れば仕事には余裕で間に合うから遅刻の問題も全然ないけど、それでも髪の毛が濡れたままでお化粧したり、8-9時の強烈なラッシュに乗り合わせるのは、朝から消耗する。なんだか疲れているのかも。

昨日 行きつけのクリーニング屋に、WRのワイシャツを持っていくついでに わたしのコート(食べ物の染みがついてしまった)を持っていったら、店長の前髪コテ子に ガミガミと怒られてしまった(「あ〜あ、こんなに汚しちゃって」「こんな染み、間違いなく落ちないですよ!」等の後ろ向きな批難)

センター試験は明日なのに、まったく嫌になる。もう浪人はできない。おとうさまにもうしわけない。風邪をひきませんように。世界史を見直しておかなくちゃ。まとめノート、今年も間に合わなかった。ベッド脇の床に置いておいたメガネを、踏んづけて壊す。

WRは残業で遅い。ねこ人形と遊びながら「ねこんこ と ねんねこ が、仮に 身長130cmの小太りで、『ポケモン買って』とか『フランクフルト買って』などと ことあるごとに 騒ぎ、喚き、街中で駄々をこねてひっくり返ったりしたら、その場で捨て子にしようかと思うほどいらいらするだろうし、家の中でも勝手に冷蔵庫開けたり まんが本を散らかしたりすると考えると、ぜんぜん可愛くないし、相当むかつくだろうな……」などと考える。現状は 体長25cmの小太りだから可愛いし、おとなが家を空けている間は すこやかに眠っていることになっている。おまけに“0歳児だけど6歳児並みの頭脳”で、世の中のねこを代表する知性を誇る、という設定(WRとふたりで決めた)にさえなっている。しかし実在のねこや実在のこどもは、こうは行くまい。一年前に友人から預かったねこは わたしやWRが実家で仔猫から育てたねこちゃんたちとは 比べようもないほど悪い子だったし、あまつさえこどもなんて、ひとり生まれたら10年間は年中無休でつきっきり、それ以降も 病気・反抗期・いじめ・ひきこもり・スポーツ・受験・ニート・ロック・非行・浪人・恋の病・内定取り消しと、次から次へ おそるべき難問が待ち構えていると聞く。やっぱり、体長25cmのねこんこ と ねんねこ を生涯可愛がりつづけるのが人生最良の策かもしれない。

結局 残業だったWRの帰宅は深夜。起きて待っていたかったけど、つい寒さに負けてベッドの中で待機していたら眠ってしまった。読み返しで パラパラと夢野久作「犬神博士」19.20の頃、「これから地獄のようにつづいていく未来のこと」について、切羽詰って、藁にもすがるような思いを抱えて、本を読まずにはいられなかった時期のことを思い出す。ついでに 福岡で暮らした時代のことも。一足早く、冬を折り返したように少しずつ日が短くなり、夜明け前の空が明るくなる。

夢野久作全集 5

夢野久作全集 5