どらやきの宵

始業30分前の朝カフェで 同期のSMさんに バッタリと遭遇。周囲に会社のひとが紛れていないか注意深く見回しつつ、週明け早々だけれども“近況と愚痴”を相互に報告する。SMさんとは 会社が同じ・最寄り駅が同じ・家族構成が同じに加えて、最近は美容院が同じ、も加わったので、ついでに美容院の内部事情(SMさんの担当美容師の夫はメガネ屋さん、等)も情報交換。会話に夢中になって、こんなに早く会社近辺に到着しているというのに、危うく遅刻しそうになる。

仕事はまずまず。月曜は たっぷり2時間もミーティングがあるので、面倒といえば面倒だけど、それでも こども時代の“日直”とか“奉仕活動”とか“水槽係”とかの面倒臭さに比べれば、空調の効いた会議室に座っていることの面倒臭さなんて、まったくの子供騙しだ。昼は 美女ギャルSM2ちゃんと食事。議題は 恋愛・部長の悪口・外資への転職など身の回りのことを諸々。

今週は 珍しく夜遊び予定がまったくないので、真っ直ぐ帰宅して夕食を作る。というと簡単そうに聞こえるけれども、実際は 炊飯機のスイッチを入れてから いったんクリーニング屋までシャツのピックアップに行き、再度家に駆け戻って 野菜を切りながら洗濯機を回し、魚を切りながら乾燥機を回し、野菜を茹でながら床に掃除機をかけて、魚を焼きながら新聞紙の仕分けやゴミの分別をやっている。その間に 油で汚れたフライパンや鍋もざぶざぶ洗う。洗濯物をたたむ。ねこの世話を焼く。すごく忙しい。ゆったりした暮らし、というわたしがきらいな言葉は、それ自体 形容矛盾だと思う。暮らすというのは、ただ暮らすというだけで、ものすごく忙しいことなのだ。

炊飯器がピヨピヨ鳴ると同時にWRも帰宅。「いいもの買ってきたよ」というので振り返ると、巨大などら焼きを手に持っている。巨大な上に、漫画に出てきそうな、もっといえば ドラえもんに出てきそうなルックスの、皮と皮の合わせ目がぶよぶよと波打ったどら焼きなので、笑う。パッケージには“じゃんぼどらやき”と書いてある。交互にどら焼きを手にとって「座布団にもなります」「お盆にもなります」「フリスビーにも」「マウスパッドにも」「がま口にも」「ホッカイロにも」「(頭にかざして)霊界からきた証明にも」「お面(照れ隠し)にも」と ひとしきり(30往復分くらい)遊んだあと、食後のデザートとしてお腹におさめた。相変わらず「犬神博士」を再読している。今週もまだまだ長い。日付が変わる前に、就寝。