ストックホルム

いろいろとショックを受けることが重なる今日この頃。他人の噂話とか評価とか。すべては 実体のない、茫洋とけぶる靄のようなもの。夜明け前の部屋や空気に トライアングルのつめたさを想う。こんなに冷えきっているのに 未だ 雪が降るには足りないという。憶測とか。ぬいぐるみのネコ メモ帳のネコ シールになった金色のネコ もう二度と一緒に暮らすことのないふわふわのネコ フェルトでできた薄っぺらのネコ 目の前で動くネコよりも ほんとうは嘘のネコが好きだと思う。すべてが借り物で出来上がったものがほんもののように扱われたり ほんとうのものがゴミ屑のように見棄てられていたりする あかるくなった つよくなった げんきになった しゃこうてきになった ひねくれたところがなくなった あのひとは自分の知っているあのひとではなくなってしまった だって なんとでも云えばいいわ うつくしいひとは変わって変わって変わって変わって何度でも何にでも変わることができて変わって、乗り越えてゆくものよ