ねこの転移 因果応報

ほんとうは今日、有給休暇だった。しかし昨日の“狂気の招待状”の件が未解決の為、やむなく午前だけは出社する。

事務手続きの色々を終えて、昨日も訪れた目黒にある狂気の某事務所に再度立ち寄り、郵便局にて速達を投函して、ようやくこの案件が終了した。目黒の駅前を歩いていると、正面からバギーを押したお母さんが歩いてきた。すれ違いざまに 何気なくバギーの中の乳幼児に目をやると、そこで 驚くべき光景が巻き起こっている!バギーのなかの乳幼児は、ファスナーがついたパーカーかフリースのような衣服を着用していて、そのファスナーをほぼ首までぴっちりと上げていたのだけど、その首もとに!!!我が家の ねこんこちゃん(ねこ人形・灰色の毛並みのほう)が、顔を乳幼児のほうに向けた体勢で ぴっちりと密着して入っていたのだった!!!!!後頭部しか見えなかったけど、まいにち抱っこしたり遊んだりしている あの ねこんこ を見間違えるはずがない。あの つるんとした後頭部……、わたしが仕事に行っているあいだ、何をして待っているのか常々想像を巡らせてはいたものの、まさか見知らぬ乳幼児を乗せたバギーの中のパーカーのファスナーの中にちゃっかりと存在していたとは…。昼間はいつもケズルくん(仮名)と遊んでいるのだろうか?……白昼の衝撃であった。

夕方まで自由なので、恵比寿の某整体院へ。凝りが若干ほぐれる。その後、本がないのでコンビニで入手した装苑などを読みつつ 夕方まで時間を潰し、リキッドルームへ。tobaccojuiceを観る。この日一緒だった おとぎ話 は ともだちのともだちバンドであるので前にも対バンで観たことがあった。しかし ワンマンライブでない限り、趣味に合わない対バンを観ている時間や、転換のあいだ、爆音で流しっぱなしの、ありきたりで退屈で全面的に自己陶酔のDJが流す選曲に付き合わされるのが非常に辛い。爆音のなか、声を張り上げて会話しなくてはいけないことも非常に辛い。WRは「ライブハウスがあまりにも快適な環境だと、好きな音楽を聴くときのカタルシスがなくなるからじゃない?」などと呟いていたけど。たしかに 苛酷な環境がブルースを生み、体制への反発心がロックを生んだ。自ら進んでそれらを愛好している以上、ライブハウスの劣悪な環境には耐え忍びつづけて生きていくしかないのかもしれない。tobaccojuiceは、スターパインズでのワンマンライブ あの日のメリーゴーランドがくるくる回るような世界観とは比べようも無いけれど、わたしは彼らの歌がだいすきだから、久しぶりにライブで聴けただけでも、とても満足。白い馬がまた聴けた。これはもう、アルベール・ラモリスの「白い馬」のサントラじゃないかというほど「白い馬」。わたしが今いちばん好きな「カウボーイ」は聴けなかった。22時前に家に帰る。近所のカフェっぽいラーメン屋でおそい食事。会社の話題で、わたしが少しでもネガティブな発言をすると相手の気分を 我慢ならぬほどに害することがわかったので、もう金輪際 会話のなかで会社の話は一切しないと決めている。良い話題だけを選んで話すのは 自分の生活を偽っているようで、嘘の生活を語るようで、自分が嫌だ。なので、会話も特にない。自分を知ってほしいという気持ちも、消滅しつつある。そして、自分の両親も こういう些細な行き違いから不仲が始まったのに違いない……と、妙にリアルに感じたりする。その親の子がわたしだから、そうなることも自明のことではあるのだが。ただし、わたしは彼らのように、諦めたり放置したり軽蔑し合って生涯を終えるのだけは、まっぴら御免。御免こうむりたい。黙々と食事。餃子が美味しかった。