ミスアメリカに告ぐ

資料の提出が終わり、束の間の安息の日。定時で早々に切り上げて、別部署で同じ街に住んでいるSMさんと待ち合わせをして一緒に帰宅。近所のカフェで、夜コーヒーを飲んで帰る。

ほんの少し前までは、忙しい仕事のストレス解消に毎日社内メールで文通のようなことをしていたのだけど、お互いに 最近はストレスを感じる暇もないほど多忙だったのもあって、こうやって会話をするのは随分久しぶりのような気がした。年に一度会うひとと、一月に一度会うひとと、毎日会うひととでは、交わされる会話の種類や質も、随分変わる。SMさんとゆっくり会話する時間もないあいだに、色々なことが勃発したり収束したりしていたし、それは彼女にとっても同じであるはずなので、カフェのひくいテーブルを挟んで、まるでフェンシングのような お茶の時間を 過ごす。


スウェーデンから手紙が届いた その理由に確信をもった

現実よりもたいせつで 現実よりも価値のある、夢想と空想の世界もある

それを守るためだけに 現実を捧げるひとだっているさ

その空想は ちっともなまやさしいものではないから、
途中まで耳を傾けるのだが 結局のところ わたしはわたしの耳をふさぐ
きれい と きたない と うつくしい と みにくい が ある   
だけど、ずっと味方でいると云った

今、生まれてはじめてアメリカに行きたい


サンフランシスコでも、ニューオリンズでも、ハーレムでもない、
甘くて 気怠くて オルタナティヴなアメリ

すいかずらの匂いがするアメリ

アメリ