かわいい子には8点

今週は壊滅的にしごとがひま。

ひま!ひま!!ひま!!! ひま!!!!!!!

こどもの頃、何処にも出掛けない休日は、一日を永遠のように長く感じた。親に「ひま!ひま!やることがない」と 手足をバタつかせながら訴えると、本を読めばとかピアノ弾けばとか、さいあくの場合は「じゃあ庭の草とり手伝って」とか、わたしがもう何百回も繰り返し思いついた範疇の返答しか返ってこないのがオチで、わたしは本もピアノも周りの子たちに比べたら、確実に頭ひとつ飛びぬけて「大好き」という部類に入るくらいに好きだったけど、それでも寝食を忘れて一日中没頭したことなんてないし、そもそも それらをとっくにやりつくしたと思っているから訊いているのだ。こどもは とにかくすぐに飽きたり、すぐに退屈する生き物。そんなとき母は「おひるねでも したら?」とも言っていた。ひとは、自分のこども時代をそんなにかんたんに忘却できるものだろうか?ひるねをするこどもはいても、ひるねが“したい”こどもなんて、この世にひとりもいない。そんな奴が実在するとしたら、そいつはこどもの皮を被った老いたおとなだ。ひるねを快楽と捉えるか苦痛と捉えるかが、そのひとが大人かこどもかの、決定的な分かれ目だと思う。

今週の会社でのしごとの無さは、こどもの頃の何もない休日か、遠出するときの車の中か、あるいは大学の小児科待合室で名前を呼ばれるのを午前中からずっと待ち続けているときの記憶を否応なく呼び起こしてしまう。なまあたたかい水が足首の高さまで浸水してきて、靴と靴下をボチャボチャと浸しつづける、だけど逃れられない 拘束の時間。

会社帰り キディランドに立ち寄る。母の日は既にお祝い済みだし、誕生日でもクリスマスでもないけれど、母の為に 内緒でまるみちゃん人形をもうひとつ注文したのだ。丁度プラズマクラスター付空気清浄機を2つ送ってもらったので、そのお返しという名目にする。まるみちゃん人形は、髪型もファッションセンスも わたしの幼少期にそっくりなので、きっと母も気に入ってくれる。キディランドの地下売場へいくと、奥から取り出してくれたわたしが注文した一体とは別に、売場の棚にも同じ人形が並んでいた。現行の最新モデルとは別に、僅か10日間のうちに立て続けに二体も取り寄せの注文が入ったために、「これは売れる」と見込まれたのだろうか?またひとつ、世の中に流行をもたらしてしまった。

母にプレゼントするための発想手続きも無事に終わり、もう一度まるみちゃんコーナーをよく点検してみると、着せ替え用の洋服も幾つかあった。白地に赤・黄・緑の三色ボーダーの長袖に、うすい茶色のコーデュロイのオーバーオールを合わせたセットが可愛い。しばらく買おうかどうか迷った末に保留にしておいたけれど、お店を出て 明治通りまで出たところで、買って来なかったことを猛烈に後悔した。今度ぜったい買おう。それで、オーバーオールを着せたまるみちゃんを写真に撮ろう。

WRは遅めの帰宅。今日は、会社の後輩たちの面談をやってきたという。それを元に、0〜8点で評価をつけるということだ。わたしなんて、ひとの面談をするどころか、自分の面談さえされないんだけど。なので、ねこ2人とまるみちゃんを一列に並べて、順番に面談を行った。みんな うちに来てからというもの、まいにちがさいこうに楽しくて さいこうにハッピーだと言っていた。3人に8点をあげる。