WRが白くて清潔なカーテンを吊り下げる

夜に雨の予報。しごとをいつも通り定刻に終えて、同じ部署ではたらくSYさんとふたりで夕食へ向かう。品川駅に隣接するビルのレストラン。月曜の18時半という時間のせいか、何処の店も 閑散としている。

食事について 何も考えなくていいプリフィクスメニューのお店に入って、会社のことなどを色々と会話する。SYさんも、同じ町に住むSMさんとはまた少し別のベクトルで、何だか とても共通点が多い。年もひとつ違いだし、お互いに2008年に結婚して こどもなんてまだ当分産みそうもないし、大学も学部も同じところを出ている。共通の友人もいる。夫とは大学のサークルで知り合ったし、おまけに夫同士の学部も同じ。そして今、同じフロアのデスクに背中合わせにすわって働いている。でも、こんなのは全然不思議な縁でも何でもない。今は未だ すべてが途中経過としても、今 同じ場所にいるということは、結局 それがこの場所での平均値で、其処では ひとり残らず 誰もが その平均値を構成する分子にすぎない。わたしが永遠に知ることのない、わたしと似通ったひとびともきっと、過去にも未来にも、数え切れないほど存在しつづける。顔と身体と喋ること思うことが少しずつ違うだけで、自分なんて 全然唯一無二のものではない。でも、そのことは幾ら言語化しても、なかなかほんとうにはわからない。自分自身が ほんとうに唯一無二でないとわかるときがいつか来たら、そこではじめて自由になれるのだと思う。思っている。

SYさんは、全然うるさくないのに とても明るい。面白いということを、恐らく人生でいちばん大事なことに据えている。なのに全然うるさくない。喧しいと感じるところがひとつもない。彼女も わたしがとても好きなひとのひとりだ。

やっと「1Q84 BOOK2」読了した。今は読了しただけ。今まで読んだ 村上春樹のなかで、読み終えるまでの苦痛がいちばん強い。何度も聞いたことがある話を、はじめて聞いたような顔をして聞くことに近い苦痛を感じた。物語への感想は、まだちゃんと持てない。今は未だわからない。