たなばたの夜 やきゅうをみる
会社にて 澱みながらしごとを終えたあと、WRと外苑前で待ち合わせ。神宮球場にナイターを観に行った。WRがなごやっこなので、ドラゴンズ対スワローズの試合。わたしは 野球のルールがまったくわからないけど、幼少期の写真をみると ほぼ全写真で「C」とかいてある赤いキャップをかぶっているので、人生で1度か2度しか訊かれたことも答えたこともないけれど「やきゅう どこのファン?」と訊かれた場合は「ひろしまカープ」と答えるように しているものの、勿論 ほんとうは ひろしまカープのことなんて、全然好きでもなければ嫌いでもない。一年間で10秒くらい、幼少期に気に入ってかぶっていたらしい 「C」というキャップのことを思い出すくらいだ。
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そういうわけで、やきゅう観戦も退屈しないで楽しめるかどうか やや不安だったけれど、球場へ向かう途中の路店で「ドアラの耳」カチューシャを購入し、それを頭にはめた時点で、前途にとても良いことが待ち受けているような予感がみなぎってきた。ゲートをくぐってスタジアムに入ると、まだ明るい夕方の空が 気持ちいい。去年 都市対抗やきゅうの応援に行った、蒸し暑くて反響するだけの東京ドームとは全然違って、夕方や夜を巨大なスープ皿ですくいとったように そこだけ特別な夜があるのがいい。
わたしは ホットドッグを買い、ミニスカートでエビスビールを背負ったガールの所まで走っていって、ビールも買う。こんなに風が吹き渡る ステキな夕空が広がっているというのに、WRは ヒジキや煮豆や焼鮭が配備された「16品目のバランス弁当」的なものと、ペットボトルの水を購入していた。WRは どんなときでも高潔で才気に溢れ、羽目を外すということがない。
あたまの上を2回も3回もホームランが飛んでいって、ゲームは開始直後からドラゴンズのボロ勝ち。勝ち試合は気分がいい。気分が良すぎて「勝ったら買おう」と思っていた ドアラ人形をはじめ、ドアラストラップや ドアラうちわなども試合中に買い足しにいき、ドアラ人形を巧みに駆使してWRと応援に励む。スワローズの応援席は、遠すぎて肉眼では見えなかったけれど、演歌調の応援歌や 傘で踊るわっしょい音頭風の応援の舞など、すべての応援センスが高度成長期を思わせる昭和ノスタルジーっぷりで、結構衝撃的だった。こちら側の応援席には 勤め帰りの若いサラリーマンのグループとか ひとりで見にきている50歳のおじさんリーマンなどがいた。やきゅうが好きなひとは ひとりで見にくるのもまた楽しいのだろう。目の前にいた50歳は、1Lパックの烏龍茶をグビグビ飲みながら、オペラグラスとデジタルカメラを メガネの上からとっかえひっかえしては、選手に向かって、ひとりで声援をおくっている。やきゅう選手と同じ格好をした小学3年生もいるし、熟年夫婦もいる。ふつうの会社帰りだけど、お祭りのようだ。目の前にはいつの間にか大きな満月がぶら下がっている。天の川は見えないけど、重たそうな月が鈍く輝く七夕だった。
「ベースボールは終わらない」っていう曲があるけど、今夜のようなナイターの夜に とても 似合う。
ドアラの応援グッズが沢山集まったから、やきゅうは別に好きじゃないけど、7月の夜や8月の夜に、また やきゅうを見にいくのです。
- アーティスト: フジファブリック,志村正彦
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↑中日勝ってるから ドアラも カキ氷 食べちゃう!!