やわらかい土に還る夜

昨夜は 表面的にはまったく冷静沈着だったのだけど、身体の深部は興奮状態だったのか、妙に目が冴えて4:30に起きてしまった。早起きついでに わたしが大嫌いな作業、itunes関連のメンテナンスをがんばって行なった。これからは嫌いなことや面倒なことも、一日ひとつくらいは逃げずにやろう。

会社の同僚で わたしが散々酷いことを書いてきたZさんの社会人デビュー(?)が、夏本番を迎える今、ほんとうに物凄いことになってきている。それに伴って 同僚女性各々からの彼女への違和感が くっきりと表面化しはじめている。皆 おとなだし忙しいのでいじめとか 陰口とかそういうくだらないことは決して勃発しないけど、皆 業務の上でも彼女の社会人デビューの謎のハイテンションの被害を被っているようだ。業務以外の面でも 加速度的に 地味から珍奇へと変貌していく服装とか、お金の話とか、彼女の闇雲な婚活話とか、ほんとうにすべてが物凄い。皆 口をアングリとあけて圧倒されている。わたしは心が狭いので「此処がアメリカだったら 今わたしは間違いなく 無言で散弾銃をぶっ放していたよ」と思う瞬間が 何度もある。日本に生まれてほんとうに良かった。今日は ランチを買いに出るときに、まさか酔っ払っているわけでもないのに、腕に絡みついて歩かれて、それを引きちぎるのがたいへんだった。こんなめんどうくさいひと、今まで見たことも会ったこともない。彼女はほんとうに驚異的な存在だ。

今夜はWRに残業がなく、珍しく同じ時間に駅についた。2、3軒の候補の中から迷った末に、フレッシュネスバーガーに行って チーズバーガーとビールでかんたんに夕食を済ませて、あとは自宅でのんびり。疲労のWRは まだ20時半とかなのに、ちょっとのつもりで本格的に熟睡している。わたしはインターネットや、まるみ遊びや、読書や、音楽聴きを貪り楽しむ。平日はいつも、朝も夜も「時間がない」と感じる暇もないくらい、時間と家事と睡魔に追われて、あっという間に一日が終わる。今夜みたいに、夜の20時から眠る時間までたっぷりと時間があって、時計を見ても「まだ22時半か」なんて思ったのは、何時以来だろうか。昨日見たコンサートは 最終日が今日で、時計を見ながら幾度となく「きのうよりも、もっと盛り上がっているのだろうな」と、考えていた。あの場所とこの場所が、同じ夜の中にあるなんて、ちょっと とても信じられない。世界を自分でつくっていくということに、ほんとうに今さらだけれど 畏怖を憶えている。早起きしたのにすぐには眠くならない。今夜の夜がとても長い。WRがかけてくれたボブディランの7色のギターに耳を澄ませて、アイスティーを飲み、笑い顔のまま眠っているまるみちゃんの顔を見ていた。

欲望

欲望