雲も月も太陽もみえない

記念すべき皆既日食の日。それなのに 東京の空は曇り。太陽が欠けると云われる午前11時前後は、わたしも席のすぐ横のガラス窓の大パノラマから空模様を注意深く観察していたけれど、外の世界は新幹線とモノレールが遠近法で立体交差し、ビルとビルの狭間を航空機が飛ぶ、いつもと変わらない曇り空の世界だった。テレビニュースで見た皆既日食の一部始終は、地球を展示会場にした、「だまし絵展」のようだ。世界には 不思議なことが たくさん。不思議なものは きれいで、きれいなものには、ぜったいに 不思議があるよ。

しごとは まるでふつう。今日はノー残業デイの為、いつも以上に定時きっかりに仕事を終えて、ミッシェルのギタリストの死について SMさんと驚きを共有しつつ、電車に揺られて帰路につく。今夜も家で夕食の支度。鱸とキノコのホイル焼きと、ゴーヤーの炒め物をつくる。鱸って、フランス料理屋で出てくる代表的なお魚だけど、切り身そのままを調理すると、骨が多くて太くて、ちょっと意外に思った。夏の夜は 紺色で生温くて、月が昇りきるまでの時間が、とても穏やかで とてもゆっくりと長い。何回かマンションの前まで出てみると、霧雨が腕にあたって気持ちが良かった。休憩のつもりでベッドにゴロン、としたWRは、まだ21時半なのに 二度と目を覚まさないで、朝まで熟睡してしまった。

今週発売の「週刊SPA!」に 載っちゃった。会社に毎週届く雑誌なので、これは ちょっとだけ 嬉しい。


http://spa.fusosha.co.jp/