額縁と絵画

雨 曇り 雨 曇り 雨。未だ梅雨が続いているような空の色。物置部屋のダンボールの中に突っ込んだきりだった、巻き髪用のコテを発見して引っ張り出してからというもの、くるくる髪にするのが好きになった。髪をくるくるにするだけで、見慣れた顔が少し変わるし、着慣れた服も少し違うもののように 感じる。けれど、わたしは3歳の頃からさらさら髪で、しごと中でも電車の中でも読書をしていても、いつもさらさら髪に指を通して さらさら髪のさらさらを確かめないでは生きていけないので、くるくる髪にした一日は、指先に触れるさらさらが何処にもなくて、くるくるの一日が終わる頃には、たかがさらさらがないくらいでそんなに?と思うほど、ストレスが蓄積しているので、自分でも驚く。パーマをかけたのは、人生で最初で最後、20歳のときだけで、自分からかけたくてかけてもらったパーマだったのに、美容院の帰り道、生まれて初めてさらさらを失くしたことに気づいて、泣いた。そして翌日、同じ美容院に駆け込んで、ごめんなさいと謝って パーマをぜんぶ落としてもらった。髪の毛って、ほんとうに大切。ヘアスタイルは勿論だけど、健康な髪でいることは 男でも女でもねこでもこどもでも、とてもとても大切。ほんとうに髪の毛の健康と美しさを考えて勉強しつづけている美容師さんは、もはや美容師ではなく「髪医師」という称号を授けられても、全然大袈裟じゃない。

しごとの後は、友紀ちゃんと銀座でお食事。待ち合わせまでの時間潰しに、セール中のオペークで、人造真珠とサテンのリボンのヘアアクセと、フラゴナールの練り香水を買う。そのあと向かいの松屋に行って、何か わたしにも買える素敵な品物はないかしら、と 店内をふらふら彷徨ってたら、プラスチック素材の、おもちゃみたいに可愛いアクセサリーを見つけてついつい足を止めてしまった。ウサギやきのこや小鳥など、おとぎ話に出てくるモチーフがペンダントやピアスになっている。あ、これ欲しい、と即座に思って、脇にあるデザイナー紹介のパネルを見ると、デザイナーはイギリス人の女の子で、そこで漸く、これが友紀ちゃんが扱っているアクセサリーだと はじめて気がついた。待ち合わせにやって来た友紀ちゃんにおねがいして、女の子と星のペンダント1つずつを リーズナブルに買わせてもらう。偶然見つけた欲しいものが、まさに今待ち合わせをしているおともだちが企画して輸入しているものだとは、何という偶然。わたしと彼女は 服の雰囲気も性格もまるで違うけど、唯一 趣味が交わる部分(X∩Y)が、こんなテイストの物だったりする。ねこモチーフは作られていないそうで、その点だけが、かえすがえすも残念。女の子モチーフは、起立ver.とゴロ寝ver.の2種類があって、さいごまでどちらを買うべきか迷っていたけれど「ねっころガールなんだから、こっちでしょ」との鶴の一声(ナイスアドバイス)で、怠惰にゴロ寝しているバージョンを選んだ。わーい!可愛い!!!

↑ペンダント2つ 星とnekkorogirl



↑エンブレムとタグも ロンドン可愛い



夕食に入ったレストランは、ベトナムとタイとインドネシアとマレーシアが渾然一体と共存してしまったエスニック。木曜日の銀座は空いていた。美味しかったうなぎのことや、恋人の誕生日の祝い方についてなど、相変わらずお喋りの内容には事欠かない。今夜も銀座だったけど、今夜こそ 有楽町線トラップには嵌らないように、はじめからちゃんとJRに乗って帰った。深夜0時に帰宅すると、同じく飲み会だったWRは、二日酔いの予兆をプンプン感じさせながら、一足先に帰宅していた。