素敵なバターチキン

夏休みまで あと3日。

原稿と来客でやや多忙。ランチタイム、部長に麻布の老舗の鰻屋さんに連れていって頂いて、鰻重をご馳走になる。行きに拾ったタクシーの運転手が初老の女性で、運転も下手だし道も知らない、そしてあろうことか知らないのにわかっているような振りをしたり、こちらが何かを云う前に、先回りしてその場凌ぎの言い訳を繰り返すタイプだったものだから、さっきまで上機嫌だった部長の機嫌が面白いほどみるみるうちに変貌していったので、車内は一瞬 一触即発ムードとなる。新入社員研修の教材に使いたいくらい、部長のようなタイプにとって、典型的にダメな部類の仕事人だった。ダメなところしかなかった。ワンメーターで着くところを、何故か3メーターくらい回転して何とか到着。鰻にふさわしい、コンクリートに日が照りつける、じりじりとした夏の昼間。

土用の丑の日の前日は 友紀ちゃんの彼に「石ばし」のうなぎをご馳走になったし、このところ 美味しい鰻に恵まれている。鰻とごはんが同じくらいふかふかで、肝吸いはアツアツで、小鉢に入ったお漬物や大根おろしまで 辛すぎたり薄すぎたりすることが全然なくて、完璧な調和を保っていた。おなかいっぱい。午後は 原稿を読みながら、ふらふらとお舟を漕いでいた。眠くて頭が朦朧として、手を洗っても アイスコーヒー飲んでも目覚めないから、何か書こうとしてもキーボードの文字が1文字も打てない。学生時代 眠たくてたまらなかった授業中、ノートを書こうとしてもどうしても書けず、左手がインクだらけになってたことを思い出す。休憩時間になると、悪魔が去ったみたいに、スーッと覚醒するんだよね。あの緩急は不思議だった。

3時間残業して帰宅。CA4LAで夏休み用の帽子を買い、早速 帽子の練習を兼ねて そのまま被って家に帰る。今日は、家に携帯を忘れてきちゃったから、WRに遅くなる連絡ができなかった。WRはご飯も食べずにベッドで寝てた。WRを起こし、近所にある インド人のインドカレー屋なのに、内装や看板にエスニックな調子が皆無で まるでカフェのように見えるインドカレー屋に夕食に行く。バターチキン 美味しい!バジルのナン 美味しい!銀座や神楽坂にも好きなインド料理屋が幾つかあるけど、実は ここのがいちばん美味しいかもしれない。

本読む暇ない 電車の中でイヤホンで聴く微音の音楽は音楽の大事なものが聴こえないのでかえって不愉快 観たい映画あまり映画館でやってない 美術展はできるだけ人の数が少ない日に行くから今はダメ 何もない、何もないな、けれども未だわたししか知らないきれいなもの、とてもアンバランスで考えられないくらいに精巧なもの、奪っていくばかりのひとびとから見つからないように戸棚の奥に隠してある、きれいなものをまだ持っているよ、それはわたしに与えてくれてばかりいるひとにだけ見せてあげることになってるんだよ、ねぇ

また会社に「週間SPA!」が届いて また「週間SPA!」に載ってしまった!精確に云えばわたし自身が載ったわけではなくて、業務関連での登場。わーい、まるで 低級のデジャヴのようだ。


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