眠りが果てしない

狭くて固い廊下で朝10時まで寝て、目を覚ましてパンを食べたあと、満腹になって 今度はふかふかベッドで15時まで眠り直した。何も約束のない日には、どこまでも眠りつづけられる。同じく、勉強したり昼寝したりで夜を迎えたWRと、タイ料理屋に夕食に行く。

タイ料理屋は満席で活気で満ちている。わたしたちの両側のテーブル共に、女性二人組のお客さんで、その二組とも おしお と のりピー に関してさかんに言及していたのが印象的だった。

夜の町を横断して、喫茶店に珈琲飲みに。今読んでいるのはグレングールドに関する評伝。夏休み前、しごと中に彼についてのエピソードを色々と訊ねられたけど、うまく答えられたか自信がないので。しかし、レコードを聴き、評伝の1冊や2冊を読んだところで、何かについてわかったような気には全然なれない。何事についてもそうだけど、本にはこう書いてあった、と云う以上のレベルで何かを解釈したり分析したりなんて自分には殆ど不可能なのだと知っている。知識に裏打ちされた感想は、単なる直感的な感想よりも、奥深いものなのだろうか。知識は感動を増幅させる効果がたしかにあるけど、知識が感受性を檻に入れる場合もある。ほんとうに凄いものを目にしたとき、わたしは沈黙するしかなかった。

一日中あんなに眠っても 夜は夜でまた眠くなる、とWRに云うと「あの のび太くんでさえ、昼寝した日は夜眠れないって言ってたのに・・」と呆れられたけど、やっぱりベッドに入るとすぐに寝ちゃう。