ねこの国の大統領選挙

「メールするね」って云ってた癖に、旅先のWRからメールが無かった。

午前中はお洗濯と掃除機かけ。狭い家なのですぐに終わる。昼食ついでに曇り空の街に出て、証明写真を撮ってから、WRがいつも服を買う 男の子向けのセレクトショップで、イエロー×ネイビーの、巨大なキャンパストートを買う。アウトドアブランドにはあまり詳しくないけど、赤いオウムのワッペンがついてる。昼食を食べているうちに、外はポツポツと雨が降ってきた。

16時から行く場所があったのだけど、まんまと寝過ごして16時半。幸い徒歩1分の場所なので、走って行って、事なきを得たが、あたまのなかが完全な寝起きで、夢遊病者かジャンキーを見る、不審の眼差しが突き刺さってきた。

30分ほどで所用を終え、帰宅すると旅から帰ったWRがいた。圏外で連絡できなかったことをしきりと詫びてる。ねこたちとドアラは、一日顔を見なかったのでWRのことを忘れてしまった。館山に行っていたらしいが、お土産に何故かムーミンボール(入浴剤)を貰う。お風呂に入れたら、中からムーミンやらが出てくる仕組み。フーン・・ありがとう。

WRと選挙へ。今回、投票所の入場券が郵送されて来ず、郵便局に問い合わせてもどうにも埒が明かないので、はじめて入場券なしで選挙に出掛けた。住民台帳のようなもので、住所と照らし合わせて改めて入場券を発行してもらう。見るつもりはなかったが、WRにはマンションの隣室の夫妻(有名なオシャレカフェ経営者)の、生年月日が見えてしまったのだという。若く見えたのに、意外と相当に年上で驚いた。選挙、わたしの住んでいる選挙区のひとって、何となく名前は知っているけど大物がいない。それから最高裁判官の国民審査って、小学校の社会科ではよく習ったけど、余程裁判に関心があるひとでない限り、事前に調べていくひとは少ないだろうし忘れるし、投票用紙の紙質も粗悪だし、裁判界では×がいっぱいついたひとには発言権がなくなる(※WR情報)とか色々あるらしいけれども、たいへんに地味!地味!地味!

今夜は ねこの国の大統領選挙も行われ、厳正なる審査の結果、WRが初代大統領に就任することに なった。

<WR大統領の略歴>

19××年 あいち県なごや市生まれ。モテナイ高校卒業後、ねこ田大学せい治けい済学部卒業。株式会社 日本インターネッコに勤務。退職後、ねこ計算法人に勤務。奥様は 雪んこさん。その他の家族は、まるみちゃん、ねんねこちゃん、ねこんこちゃん。ホームステイっ子、ドアラちゃん。

選挙速報を見ているWRに「先ほど、ねこの国の大統領選の結果が出たよ。WRが大統領に選ばれたよ」と教えてあげると、「ありがとー、ありがとー」と言っていた。早速ねこの国の憲法を制定するようにお願いしたら、

1.おなかいっぱい食べるべし
2.ぐっすり おやすミンコ
3.道で会ったら ごあいさつ
4.サブカルであれ

早速上記の4つを制定してくれた。ねこたちは、これから、この憲法に従って 生きる。

父親が後援会長をしている、地元の議員さんも無事当選した。わたしもこどもの頃から知ってるひと。むかしは選挙になると大忙しになる、自分の家が大嫌いだった。でも今は心の拠り所として 良い面と悪い面のそれぞれで、それらがとても気になる。家の会社のことも、むかしはまったく興味がなかったけど、今は気になる。わたしの家は、誰も離婚こそしてないけれど、祖父と祖母も不仲、父と母も不仲という絶望的な家で、そこで彼らが唯一間違いなく、働いて、或いは働く夫を支えることで守ってきたのが、会社なのだった。だから家族愛とはまったく正反対の意味で、わたしにもそれが大切だと思う。

まるみちゃんの病院から連絡がない。まるみちゃんのいないまいにちなんて、何をしていても不完全だ。欠落の世界だ。はやくおうちに帰ってきてほしい。