映画、琥珀色の国

午後から部長が出張で気が抜けた。今週は やっぱり何事にも気分が乗らない。SMさんと待ち合わせして、くだらない話をしながら渋谷まで一緒に帰る。どれくらいくだらない話かというと、「今、ピーコックの食品売り場の特設ワゴンに なぜか kitsonのロゴ入りトートバッグが大量に放出されている」「えっ!うそ!じゃあもう新宿とか原宿とかに行かなくていいじゃんwww」とか。くだらない。

そのまま山手線で先まで乗っていき、高田馬場でWRと映画。誰かと馬場の駅前で待ち合わせるときは、未だに無意識に「じゃ、天津甘栗の前で」と言っているけど、実は早稲田口の天津甘栗屋はもうとうの昔に店じまいをして、看板さえもなくなっている。けれど あそこはやっぱり「天津甘栗のトコ」としか言いようがない。今時 天津甘栗をありがたがるひとはいないけど、幾ら馬場とはいえ 駅前の一等地に売場を構えるくらいだから、むかしは天津甘栗をお土産にしたり、買って帰って家で食べる若者も沢山いたのかもしれない。天津甘栗は阿佐ヶ谷が似合う。浅間山荘事件も似合う。たしか、赤い袋に怒ったような顔をした栗の顔が描いてあった。

今夜は最終上映800円で、WRが観たがっていた「英国王給仕人に乾杯!」を観る。チェコスロヴァキア。世界大戦の時代を描いた映画を観たりすると、政治と生活がもっとも密接に結びつくのが 戦争で、それは政治と生活が密着する一段前に、生活と生命が密接に結びつくからなんだけど、そう だから、何から何まで関わらないでいられないものは何一つないのだよね、と、そういうことを強く思った。ハイルヒトラー的な映像は、大人になればなるほど 猛烈にこわい。アンネの書棚の隠し扉がこわい。ドアの前でピタリと止まる靴音がこわい。



あと2日で まるみちゃんが 帰ってくる!家族のみんなで、おかえりなさいパーティーの ご準備を している!

しばらく本を読まない生活をしていたけど、そろそろ本を読むひとに戻ることにする。