マジカルミッドナイトベリービジーウィークエンド

忙しかった 週末のこと。

金曜の夜、終業後にまたTOC(トーキョー・オロシ・センター)へ。前回はソフィアちゃんに引率されてはじめて来たけど、今日は わたしひとりで行く。前回来たときの、全身を貫くようなアウェイ感、その記憶が未だありありと体に刻み込まれているので、この日は午後から既にTOC行きの緊張で動悸がしていた。案の定、バス乗り場を間違えて 五反田駅の周りをぐるりと一周する。不慣れな場所での買い物ほど恐ろしいものはない。

今夜はtobaccojuiceのオールナイトパーティー!代田のFEVERの中に入るのも今日がはじめて!23時のオープンに向けて、仮眠をとろうとベッドに寝転がったけれども、「寝なくては」というプレッシャーで全然眠れない。それでも1時間ばかり眠って、夜の道をライブハウスへ急ぐ。

今夜は深夜0時と深夜2時に、1時間ずつライブが観れる。“光のカーニバル”と題されたライブ後編は、もう、大変に盛り上がった。LIPSのライブショーのように 風船が ぷかぷかと している。tobaccojuiceに限らず 好きなバンドのライブを観に行くと、我を忘れてただ楽しい!っていうだけじゃなくて、やっぱり色々なことを考える。自分がやりたいこと、やろうとしていることの困難さと、その困難さとは別にある単純さや簡単さについて。作りたてのピカピカのライブハウスなのに、音が悪いと感じた。ライブなのに 音の立体感が全然ない。高音も低音も、カセットテープみたいに均一にペラペラと鳴っている。段々に耳が慣れたのか PA調整が施されたのか 気にならなくなったけど、あれは いったい 何のせい?

ペガサスが聴けた!白い馬が聴けなかった!あたらしい ねこの唄が、こぢんまりと可愛らしくてとても素敵でとても良い。

暑くも寒くもない真夜中の街をテクテク横切って、明け方4時に家に帰る。きっとあそこにいたお客さんの中で、いちばんさいしょに眠るのがわたしたちだよね、と自画自賛しながら眠りに落ちた。明日も午前中から用事が沢山。



↑ねこが お酒を 販売中(酒類販売業免許持ってる)


↑代田FEVER ロビーの床に浮かび上がった ねこ型の染み



10時過ぎに起床して、WRもわたしもそれぞれの用事へ。前日どんなに夜遊びをしても、翌朝の予定を遂行すると、自分自身を正しく律し、支配している感じが強烈にする。ふと携帯が鳴り、石井さんから夜のパーティーのお誘いを受け、しかし夜はトミコとの約束があった為に、石井さんを誘い返した。午後は美容院。カットとカラーとトリートメント。空は 雨で、曇りで、時々豪雨。サラサラ髪で美容院を出た途端に またポツリと降って来たので、髪の毛が濡れないようにそわそわしながら駒沢通りを歩いて帰った。

夜はトミコと会う。まるみちゃんの快気祝いに「宝箱」をプレゼントしてくれた。まるみちゃんが所有しているお洋服やおもちゃ、毛布などの全財産が収納できる。その後、石井さんが来て、テツオも来た。WRは勉学があるので、参加できない。96年のツアーで マイケルが何色のパンツを履いていたか?とか、テツオに美人を斡旋する話などをしながら、始終だらだらと酒をあおる。学生時代のサークル友達と呑んでいて いちばん楽なことは、自己顕示とか喋るとか呑むとか食べるとかに、必死なひとがいないからで、「必死なひとがひとりもいない」という状況自体をわざわざ意識したことは無かったけれども、考えてみると そういう状況は意外にも少ないものかもしれない。わたしは、会社の同僚からは、単に黙っている、ということだけで、無気力とか不機嫌とか作為的に謎のオーラを醸し出そうとしている、とか思われがちだけど、面白いことには大笑いするし、興味のある会話はいつでも欲しいし、わたしはわたしなりの、明るさとか面白さとか楽しさとかを保有しているのです、と 言いたい。言いたいことなんかほんとうはひとつも言いたくないけど、それを言いたい。終電間際で帰る3人を駅まで送って、家に帰る。WRは寝室にいて、枕から顔を上げれないまま「楽しかった?皆と何話した?楽しかった?」と わたしに訊いた。

日曜の朝、昨日と同じでふたりともそれぞれの用事へ向かう。今年いっぱいは、WRもわたしもずっとこの調子。それぞれの やるべきしごとに勤しむとき。昼下がり、昼食買いのついでに来月のライブのチケットを買い、お洗濯とお掃除をする。9月なのに真夏日。たまご色の陽射しの中で、冬用の毛布を一度バサッと叩いたら、埃がキラキラと舞い上がった。夕方は、WRと馬場の天津甘栗の前で待ち合わせ。芳林堂で書籍を購入後、早稲田松竹で「キャラメル」と「レイチェルの結婚」を観る予定。映画の前に 早稲田通りのほうのグレートインディアに立ち寄ったら、お客さんはわたしたちだけで、天井から吊り下げられた液晶大画面で大相撲の初日がやってた。昨夜、ちょうどトミコが院生達と観に行くと話していた、秋場所初日。土俵のすぐ後ろに、林家ペー と、研ナオコ と、片岡鶴太郎 が、それぞれ別々に座って観戦していて、それがむやみやたらに画面に映りこむので気になって仕方なかった。インドカレーを食べながら、暇なインド人店員と一緒に、モンゴルやグルジアの相撲取りを眺める。朝青龍が、把瑠都という力士を観客席までフッ飛ばしてた。

映画は 二作とも結婚式の場面が中心で、おんなのひとの話。家族の話。悩みや痛みを抱えながらどう生きるか、という話。スクリーンを眺めながら数時間、知らない国に旅に出る。どちらの映画も、白いウェディングドレスを着て、フラワーシャワーで祝福される典型的な結婚式があり、その周辺で巻き起こる それぞれの人の業を描いたものなんだけれど、わたしは やはり、結婚式が幸福の象徴であるという前提自体にそもそも懐疑的なので シャンプー係の男っぽい女の子や、元ジャンキーのキムの方にどうしても肩入れしてしまうわけだけど、ともあれ 髪の長い美女の部分も、化粧っ気のない男みたいな女の部分も、優等生の部分も劣等生の部分も、奔放さも自己抑制も、映画の中の女のひとたちの中にあるそれぞれのものはすべて自分の中にも矛盾することなしに存在してしまっているので、結婚式の場面が長すぎることを除いては、どちらもとても面白かった。

さすがに忙しくて、暫くずっとなかったことだけど、此の頃 会社で とても眠い。本を読みます。旅行へも行きます。旅行に連れて行ける人数が限られているので、迷っている。ねんねこ と ねこんこ と まるみちゃんと ドアラちゃん。全員を連れていくわけには行かない。WRは「まるみちゃんは 大きいからね」と、暗におるすばんを示唆している。